CSRって中小企業に関係あるの?
   
カテゴリ:その他
作成日:02/26/2008
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 今日は、リエちゃんが中小企業診断士の進藤さんと最近の企業の不祥事について、話をしています。
 


リエ
「最近、会社の不祥事に関する事件が新聞などで報道されると、CSR(企業の社会的責任)が問題になりますけど、中小企業でも関係ありますか? 中小企業は自分たちが食べていくだけで精一杯だから、とてもそういうことを考える余裕はないと思うんですけど。」
 
進藤
「昔から、商取引においては、売り手よし、買い手よし、世間よし、という"三方よし"の近江商人の理念が根底にあるんだ。つまり商売は社会全体の幸福につながるものでなければならないという教えであって、今風に言えばCSRということになるんだろうな。」

リエ
「そういえば、中小企業でも社是には"社会貢献"とか"奉仕"という言葉がよくありますね。そういう考え方で商売をしていこうという意志表示だと思うのですが、でも、やっていることを見ると建前だけというような気もしてしまいます。」

進藤
「CSRにはレベルがあるんだよ。レベルの低い方から、1)法規範遵守(コンプライアンス)、2)社内規範遵守、3)企業倫理遵守、4)経営理念・社是遵守というように、経営理念は一番高いレベルのCSRで、企業経営の理想とする姿を表現していると思う。だから、自分が低いレベルでさまよっていると、社是が建前のように感じるかもしれない。」

リエ
「私もまだまだレベルが低いですから、よくわからないんです。大企業は不特定多数のステークスホールダーがいるから、CSRの取組みが、多くの人の共感を呼んで、企業価値を高めていくかもしれませんが、中小企業の場合は狭い範囲で小規模な仕事をしているから、直接利益に結びつかないことは、手を出さないように思うのですが。」

進藤
「確かに、CSRへの取組みは大企業と中小企業では大きな差がある。でも、レベルの高い所を目指すことで、成長すると思うんだ。CSRを指向した経営を行うことで、社会から信頼を高め、事業を継続発展することができるし、一方、不祥事を起こして社会に迷惑をかけた会社は、やはり社会から淘汰されてしまう。」

リエ
「目標(理想)をもって行動することで向上していくということですか。勉強でもスポーツでも目標がないと、努力しようという気持ちにならないですからね。今日も一つ勉強になりました。」