税理士試験に思うこと
   
カテゴリ:その他
作成日:12/12/2006
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 伊豆野先生とリエちゃんが雑談をしているようですが、あれ、黒田さんが加わったぞ。
 


リエ
「伊豆野先生、今年も税理士試験の発表(12月8日)があったようですね。先生のところの職員さんも何人か受験されたんでしょう。どうだったんですか。」
 
伊豆野
「うん、今年はみんな頑張ったようで、何人かの科目合格者が出たようだね。黒田君も、選択必修の税法科目をあと1科目残すところまできた。来年は税理士として訪問させていただくようになるかな。」

リエ
「わあ、凄い。黒田さんも来年は先生かな。楽しみだな~。」

黒田
「リエちゃん、冷やかさないでよ。仮に資格を取ったにしても、それを世の中がそれなりに評価してくれるかどうかは別の問題なんだよ。税理士試験は、税理士の資質を最低担保するものだけど、それからは、応用問題なんだ。いつも、伊豆野所長には言われているんだけど、一つは「リベラルアーツ」つまり教養、もう一つは「考える力」が必要なんだ。まだまだ、やることはいっぱいある。」

リエ
「う~ん、さすが。伊豆野会計の皆さんは大人の雰囲気を持っている人が多いんだけれど、事務所にそんな雰囲気があるんですね。」
 

伊豆野
「ははは、いやいや買いかぶり、買いかぶり。考えることの基準となるものを身につけること、それが「リベラルアーツ」であり、現場で起きている事実を直感的にとらえ、税法に当てはめていくことは、やはり専門性と言えるんだろうね。ただ、以前から気になることがあるんだ」

 
リエ
「それは、なにかしら。」

伊豆野
「うん、税理士試験の内容についてなんだ。問題の内容はともかく、傾向として、条文を理解して、それを事実に当てはめて解釈する問題になっていない。つまり、現行のような税理士試験では、読みづらい条文など相手にしないで、試験用の解説書を丸暗記するように努めれば済む。これでは、深く考える税理士は養成できないだろうな。」
 


黒田
「そうですね。私も、いつも思うんです。記憶というか暗記の試験になっていて要領のいい人か、記憶力のいい若い人に有利になっている。仕事をしながら勉強している人間にとってみると、実務試験としてふさわしいかどうかは疑問だな。」
 
伊豆野
「黒田君、それを解決する選抜方法が一つある。それは、法規集の持込を可のすることだ。これが、まさしく大人の試験だよ。」

リエ
「う~ん。大人の試験か。ちょっと格好良くなってきたなあ。」