仮想通貨って、どういうもの?
   
カテゴリ:その他
作成日:09/13/2016
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  





リエ
「先日、Fintech(フィンテック)のセミナーで、“仮想通貨”の話が出ました。ビットコインが代表的な仮想通貨ということですが、仕組みとかよく理解できなくて……、どういうものですか。」

旭課長
「”仮想”っていうと実体がないように思えるけど、代表的な仮想通貨のビットコインには実体があって、円やドルと同様に単位もある。一般に仮想通貨は、インターネットを通じて不特定多数の間で通貨として使用でき、国家や中央銀行などの公的な発行主体や管理者が存在せず、専門の取引所を介して円やドル、ユーロなどの通貨と交換できるものと定義できます。手法として、暗号理論を用いて取引の安全性確保および発行の統制を行っているので“暗号通貨”ともいわれている。その種類は数百あって、今も増えているようです。」



リエ
「仮想通貨を持つためには、どうすればよいのですか。」

旭課長
「仮想通貨の取引所を通じて、“ウォレット(財布)”と呼ばれる仮想通貨用の口座をネット上に開設して、取引所で法定の通貨を仮想通貨に交換するという仕組みになっている。交換の価格は変動しているので、株式投資のような感じだが、所有した仮想通貨は、お互いの了解の中で通貨として使用できるところが株式のような投資商品と違う。」

リエ
「仮想通貨は現物がないのに、どのように管理されているのですか。」

旭課長
「“ブロックチェーン”と呼ばれる履歴管理の仕組みがあり、世界中にある仮想通貨の取引履歴が記録されている。それは、暗号化されているので、変更や改ざんはできない仕組みになっている。取引において銀行や政府が監視していないが、このブロックチェーンがあるので、安心してやり取りできるようになっている。」

リエ
「仮想通貨のメリットとデメリットを教えてください。」

旭課長
「メリットとしては、(1)国や金融機関、中央銀行などの機関を経由してないので、他人に財産を預けているわけではない。従って、国や銀行の信用リスクはない。(2)国や銀行のような大きな管理機関がないので、送金などの手数料は格安になる。(3)国境がないので、取引相手が仮想通貨を受け付けてくれる限り、両替のことを考えずに利用することができ、面倒な手続きが不要でスピーディに取引できる。

 一方デメリットとしては、(1)仮想通貨は交換の価格が変動するので、投機的商品の扱いになるケースがあり、資産として持っておくには向いていない。(2)法定の通貨には、国や銀行による担保があるが、仮想通貨には何の担保もない。価値が下がっても取引所が破綻しても補償がなく自己責任になる。(3)マネーロンダリングなど悪徳利用手段に使われるという面がある。」

リエ
「Fintech(フィンテック)によって、会計システムだけでなく、資金決済などいろいろな変革が進んでいるということが分かりました。ありがとうございます。」