受取手形の紛失
   
カテゴリ:その他
作成日:01/12/2010
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


旭課長
「ええ……はい……。」

黒田
「こんにちは。どうかされたんですか?」
 

リエ
「あっ、黒田さん。こんにちは。取引先がうちの発行した100万円の約束手形を紛失してしまったらしいんです。」

 
旭課長
「今し方、警察に届け出てきたそうだよ。」

黒田
「それは大変です。すぐに銀行に連絡して支払の停止をしてもらってください。」

旭課長
「それで、簡易裁判所に公示催告の申立を行うらしいんですが、資金繰りが厳しいから再発行して欲しいってことなんだけど……。」

黒田
「う~ん、紛失手形が何らかの理由で流通した場合、紛失の事実を知らず(また、知らないことにつき重大な過失がなく)、この手形を取得した者は、善意の第三者として手形上の権利を取得することができます。善意の第三者が現れた場合には御社は受取人に支払をしなければならなくなります。」

リエ
「二重に払う可能性があるってことですか。」
 


黒田
「そうですね。まずは、公示催告の申立を行っていただき、除権判決がなされれば手形はただの紙切れになります。除権判決を受け、善意取得者出現の可能性が消滅した後に支払をすべきでしょう。」
 
旭課長
「そうだよなぁ。」

黒田
「公示催告の申立は、手形に記載された支払地を管轄する簡易裁判所に行います。支払地は23区内ですので東京簡易裁判所になりますね。約束手形の振出証明書が裁判所に提出する書類となりますので、警察に届け出ているのであれば作成して送付差し上げてください。」

リエ
「ちなみに費用はどのくらいかかるものなんですか。」

黒田
「予納金といわれる官報公告掲載費用などで、2万数千円ってところでしょうかね。また、一般的に申立から除権決定がされるまでに半年程度かかると言われています。」
 

旭課長
「そんなにかかるのかい。」

黒田
「詳しくは簡易裁判所に問い合わせいただくのが宜しいかと思います。」