移転費と広域求職活動費について
   
カテゴリ:人事労務
作成日:01/17/2017
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


今日は守田社労士の訪問日です。





リエ
「先生こんにちは。早速ですがよろしいでしょうか。」


守田
「どうぞ。」



リエ
「先日、大学時代の友人たちと同窓会がありました。集まったうちの一人が、勤めていた会社を退職して現在雇用保険の基本手当を受給中とのことなのですが、遠方の実家にUターンしようか検討しているとのことでした。ハローワークに相談したら、引越費用を出してもらえる制度があると聞いたと言っていたのですが、なんのことでしょうか。」

守田
「それは、雇用保険の給付のうちの『移転費』のことですね。」

リエ
「聞いたことがないのですが、どのような給付ですか?」

守田
「移転費とは、ハローワークが紹介した求人に就職する場合などで、次の1.~3.のいずれかの理由に該当し住所又は居所を変更するときに、本人とその家族が転居のために通常必要とされる費用が支給されるものです。
1.通常の交通機関を利用し、通勤するための往復時間が4時間以上の場合
2.交通機関の始発や終発の便が悪く、通勤に著しい障害がある場合
3.移転先の事業所などの事業主の要求によって移転を余儀なくされた場合 」
リエ「支給される金額はどのように決められるのですか?」
守田「移転費には、鉄道賃、船賃、航空賃、車賃、移転料及び着後手当の6種類があり、それぞれ定められた基準で計算された費用の合計額が支給されます。その基準とは、鉄道賃であれば、普通旅客運賃相当額(一定距離以上に限り、普通急行料金又は特別急行料金相当額を加えた額)と規定されています。また、移転料と着後手当は、親族の随伴の有無に応じて額が定められています。就職先の事業主から移転に要する費用が支給された場合は、その額が控除されます。」

リエ
「なるほど。それはうまく活用したいですね。」

守田
「移転費に似た給付で、『広域求職活動費』というものもあります。これは、ハローワークの紹介によって遠方の事業所の求人に応募し、その事業所で面接するなど一定の要件を満たした場合に、交通費や宿泊費の相当額が支給されるものです。」

リエ
「申請をする際の注意点はありますか?」

守田
「どちらも雇用保険を受給中の方が対象となりますので、受給資格者でない方がハローワークの紹介によって就職活動などをした場合では支給対象とはなりません。また応募求人は1年以上の雇用の見込みがある求人である必要があります。説明した以外にも要件や注意点がありますので、詳細はハローワークの窓口で確認するようにしてください。」

リエ
「よくわかりました。ありがとうございました。」

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