「ストレスチェック」って何ですか?
   
カテゴリ:人事労務
作成日:10/04/2016
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  



リエ
「『企業が従業員に対して実施しなければならないストレスチェックの実施期限が迫っています。』なんて表記を目にしたのですが、ストレスチェックって何ですか。」





守田
「労働安全衛生法の改正にともない、平成27年12月1日から毎年1回、会社が全従業員の抱えているストレス状況を検査することが義務化されました。この制度は、労働者が自分のストレス状態を知ることで、メンタルヘルス不調を未然に防ごうとする取組みになります。その第1回目の実施期限である平成28年11月30日が迫っているので表記を目にしたのではないですかね。」


リエ
「そんなに期限が迫っているのに初めて知りました。知らない従業員の方が多いと思いますよ。」

守田
「ストレスチェックが義務化されているのは、従業員が50名以上の事業所とされていますので、御社に実施義務はありません。対象外となるため、旭課長もお話をされていなかったのではないでしょうか。」

リエ
「なるほど。ちなみにどのような検査が行われるのですか。」

守田
「国が推奨する職業性ストレス簡易調査票というアンケートのようなものがあります。そのアンケートの結果、高ストレス状態と判定された労働者本人が希望した場合には、医師による面接指導が実施されることになります。」

リエ
「全従業員ということは、パートさん等にも実施されるのですか。」

守田
「契約期間が1年未満の労働者や労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者は、実施対象外となります。」

リエ
「この検査結果によって解雇されるようなことはないのですか。」

守田
「面接指導の結果を理由とする解雇や退職勧奨、不当な動機による配置転換、職位の変更等を行うことは、禁止されています。また、ストレスチェックや面接指導での個人情報には守秘義務が課されており、違反した場合は刑罰の対象となります。」

リエ
「そうは言われても………。」

守田
「心配される気持ちもわかります。義務化以前から取り組んでいる法人があり、実際に職場環境の改善や社内体制の強化に活用されているそうです。」

リエ
「より良い環境でお仕事できるのであればうれしいですけど…。会社側の取組み方次第ってことですね。」