配偶者控除などの改正
   
カテゴリ:税務
作成日:02/14/2017
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  





リエ
「黒田さん、質問してもいいですか。」


黒田
「はい、なんでしょうか。」



リエ
「以前、お話しにあった配偶者控除について、平成29年の税制改正でどのような取扱いに改正されたのでしょうか。」

黒田
「配偶者控除と配偶者特別控除の改正ですね。まず、配偶者控除ですが、現行は本人の所得にかかわらず、配偶者の合計所得金額が38万円以下の場合、所得控除として38万円を本人の所得から控除することが出来ましたが、今回の改正により本人の合計所得金額が1000万円を超える場合には、配偶者の合計所得金額が38万円以下であっても、配偶者控除の適用を受けることができなくなりました。また、本人の合計所得金額が900万円を超える場合には、配偶者控除の金額が段階的に引き下げられ、本人の合計所得金額が900万円超950万円以下の場合は26万円、950万円超1000万円以下の場合は13万円とされました。給与年収のみの方でみれば、給与年収が1120万円を超えると配偶者控除の金額が26万円になり、給与年収が1220万円を超えると、配偶者控除の適用を受けることができないこととなります。」

リエ
「本人の給与年収が1120万円を超えてしまうと、増税になってしまうんですね。」

黒田
「そうなんです。次に配偶者特別控除ですが、現行は本人の合計所得金額が1000万円以下であることを要件として、配偶者の所得金額が38万円を超えるなど配偶者控除の適用が受けられない場合にも、配偶者の合計所得金額が38万円超76万円未満であるときは、配偶者の合計所得金額に応じて一定の金額の所得控除が受けられました。今回の改正によって、適用要件はかわらず、配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下の場合に配偶者特別控除の適用を受けることができるようになりました。また、配偶者特別控除の金額も、現行では配偶者控除の金額と同額の38万円控除の対象となる配偶者の合計所得金額が38万円超40万円未満でしたが、改正後は配偶者の合計所得金額が38万円超85万円以下の場合に引き上げられました。」

リエ
「配偶者特別控除については拡充されたんですね。」

黒田
「はい。配偶者の給与年収でみると、配偶者特別控除の適用は給与年収141万円未満から205万円以下となり、38万円控除の対象となる配偶者特別控除については、給与年収105万円未満から150万円以下となります。ただし、配偶者特別控除についても配偶者控除と同様に、本人の合計所得金額が900万円を超える場合には、控除額が引き下げられております。今回の改正は、平成30年分以後から適用となります。」

リエ
「わかりました。ありがとうございました。」