eラーニングを研修に活用できるか
   
カテゴリ:人事労務
作成日:01/27/2009
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 今日は制作課の日比野課長が総務に来て、研修について相談しています。

日比野課長
「印刷・デザイン業界ではDTPやクロスメディアなど、急速にデジタル化が進んできて、それに対応する能力を社員が身につけていかないと仕事がなくなってしまいそうです。そこで、今後の研修企画を検討しているところです。」

旭課長
「そうですね。実は研修もデジタル化が進んでいて、インターネットを活用した研修がすごく増えてきているんです。」

リエ
「eラーニングのことですか。」

日比野課長
「僕が新入社員のころは、印刷技術のことを通信教育で勉強しましたね。その後、デザインはパソコンのソフトを使うので、CD-ROMが教材になっているもので勉強したこともありますね。」
 

リエ
「私は通信教育で簿記を勉強したことがありますが、eラーニングはインターネットを使って、通信教育を発展させたようなものかなって考えていますけど。」

 
旭課長
「インターネットは通信のインフラだから、eラーニングも通信教育の一つになるでしょうね。ただ、従来の通信教育は、教材がペーパーで提供されて、そのペーパーのやりとりを先生と受講生が行って、教育をするという形態ですが、eラーニングは、教材がペーパーでもCD-ROMでもなく、先生という”人”もいない状態で研修ができるというのが大きな特徴ですね。だから、インターネットの環境があれば、いつでもどこでも、かつローコストに研修ができるわけです。」

日比野課長
「教材はどのように提供されるのですか。」

旭課長
「研修機関の担当者が言っていましたけど、教材はインターネット上のサーバーに保管されていて、受講者はそれを自分のパソコンからアクセスして使用することになるということです。インターネットを通信の手段として使った教育はWBT(Web Based Training)と言いますが、最近のeラーニングはWBTに加えて、LMS (Learning Management System) と呼ばれる学習管理システムがあるということです。」

日比野課長
「その学習管理システムがあるから、先生がいなくても学習できるということですか。」

旭課長
「はい、LMSは、教材提供、学習進捗管理、成績管理などといったeラーニング運用に必要な機能を備えた管理システムのことで、これによって、従来、”人”が行っていた受講者の教育管理業務をシステムによって無人化自動化することになるわけです。ただ、教育ですから、受講者からの疑問に答えたり、受講者の状況をきめ細かく見て指導する先生は必要でしょう。だから、研修機関は研修の管理業務と先生の機能を分けて運用しているようです。」

日比野課長
「パソコン相手の学習って味気ないような気がするけど。どうかな。」
 


旭課長
「向いている分野と向いてない分野があると思いますね。知識の習得には向いているけど、営業や新人が、人とのコミュニケーションを学ぶ場合には向いてないと思いますね。それに、パソコン相手だと、学習意欲の持続が難しいとか、質問などその場での問題解決ができないとか、人との交流がなく不安になるというような問題はあるようです。」
 
リエ
「研修の方法で、選択肢が増えたと考えればよいということでしょう。」

日比野課長
「そうですね。OJT、社内集合研修、外部研修への派遣、従来の通信教育のほかに、eラーニングという選択肢が加わったと考えて検討してみることにします。ありがとうございました。