人材派遣活用の際に注意すべきこと
   
カテゴリ:人事労務
作成日:11/18/2003
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


人材派遣について、亀井工場長が旭課長に相談しています。
 

亀井工場長
「以前、人材派遣のことで課長に相談したけど、いよいよ具体的に話を進めることになった。そこで、実際に導入に当たっての注意点を聞いておきたいんだが。」

 
旭課長
「労働者派遣法の規定によって、派遣先の講ずべき措置が定められており、さらに、それに関する指針が出されています。その指針の中で、まず、就業条件の内容を確認することと周知徹底を図ることが挙げられています。すなわち、派遣社員の出勤時間はもちろん、依頼する仕事の内容、納期などを明確にすることです。さらに、指揮命令者を含めて一緒に働く社員に勤務条件などを十分に理解させることが必要です。」

亀井工場長
「指揮命令者というのは、どういう人がいいのでしょうか。」

旭課長
「日常的に業務の内容を指示する人が好ましいです。工場長は直接細かい指示を出すわけではないので、工場長ではなく現場の課長がよろしいかと思います。」

亀井工場長
「では、私はどういう関わり方をすればいいの?」

旭課長
「仕事場所など、派遣社員が契約通りに業務ができるような環境をつくること、また、実際の仕事が遅滞なく行われているか、指示の内容が適切かなどを定期的に確認することが必要になります。また、派遣社員から苦情が出たような場合は派遣元とよく話し合って適切に対処することも工場長の仕事になりますね。」

亀井工場長
「お願いする仕事によっては少しスキルが必要になるけど、派遣社員の技能を事前に確認することはできないのかな?」
 


旭課長
「こういうスキルのある人という依頼を派遣会社に出すことは、もちろん可能ですが、派遣社員の面接をしたり、履歴書を提出してもらうなど、事前に派遣社員を特定する行為はできません。また、性別や年齢による差別も禁止されていますので、女性に限るとか、若い人に限るなどを依頼することはできないですね。」
 
亀井工場長
「派遣社員は会社の繁閑に合わせて活用できる反面、いろいろ制約も多いね。」

旭課長
「派遣社員を受け入れる体制ができてないために様々なトラブルがあり、そのような場合に、派遣社員を守る立場から、上の指針が出されているという背景があるようです。」