『ねんきん特別便』について教えてください
   
カテゴリ:人事労務
作成日:02/19/2008
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 リエちゃんが旭課長と社会保険労務士の守田先生に相談しています。

リエ
「先日、79歳になるウチのお祖母ちゃんに『ねんきん特別便』が届いたんです。社会保険事務所へ相談に行った方がいいんでしょうか?」
 

旭課長
「今『ねんきん特別便』が届くのは、年金加入記録に訂正の可能性がある人だと聞いているから、リエちゃんのお祖母さんも確認すれば年金額が増えるんじゃないかな。」

 
守田先生
「その通り。『ねんきん特別便』は平成19年12月から順次送付されていて、平成20年3月までに届いた人は、社会保険庁の把握する未統合記録が結びつく可能性が高いんだ。だから、安易に“訂正がない”として『ねんきん特別便』に入っている確認はがきを送らないことをお勧めするよ。まずは、社会保険事務所で相談してみると良い。」

リエ
「ありがとうございます。お祖母ちゃんには社会保険事務所へ行くように言います。でも、『ねんきん特別便』が送られる人って、かなりの人数になりますよね? 社会保険事務所の窓口がパンクしちゃいませんか。」
 


守田先生
「3月末までに特別便を送る対象者は、年金受給者と現役加入者を併せて850万人いるそうだから、すごい数だよね。できるだけ窓口が円滑に対応できるように、私たち社会保険労務士が連日応援に入ったり、年金相談の受付時間を延長したりしている。あとは、社会保険事務所へ行けない場合の『ねんきん特別便専用ダイヤル(0570-058-555)』が3月末まで設置されているので、知らない人がいたら教えてあげてね。」
 
旭課長
「ほかに注意すべき点はありますか?」

守田先生
「この混乱に便乗する詐欺の被害が発生しています。電話や文書で“年金を増やす手続きに手数料が必要なのでコンビニエンスストアのATMから指定口座へ現金を振り込んでください”と指示したり、“国民年金の未納分を至急払うように”と督促するケースなどがあるようです。社会保険庁や社会保険事務所が指定口座へ現金の振込みを依頼したり、手続きに係る手数料と称して現金を徴収することはありません。また、同様に勤務先や家族構成などの個人情報を収集する不審な行為にも注意が必要です。もし、不審に思われる訪問者や電話などによる照会があった場合は、その場で対応せずに相手の所属と氏名・連絡先を確認して、社会保険事務所に問い合わせてください。」
 

リエ
「何てこと、そんな悪い人がいるんですか! でも、聞いておいて良かったです。私、単純だから………。」