賞与にかかる社会保険料
   
カテゴリ:人事労務
作成日:06/24/2003
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 平成15年4月1日より、社会保険制度に総報酬制が導入され、賞与額に毎月の給与と同じ保険料率がかかることになりました。今日は社会保険労務士の守田先生が夏季賞与の社会保険料について具体的に説明してくれることになっています。
 


守田先生
「こんにちは、リエちゃん。夏季賞与の金額が決まったそうだね。今回から賞与にかかる社会保険料が変更されたので、一緒に算出してみようか。」
 
リエ
「ありがとうございます。守田先生がいらっしゃるのを首を長くして待っていたんです。例えば、Aさん(35歳)の場合はどうなりますか?」

守田先生
「35歳で50万円の賞与だね。わかりやすく本人負担分で考えてみよう。健康保険料が50万円×41/1000=2万500円、厚生年金保険料が50万円×67.9/1000=3万3950円、併せて社会保険料本人負担分は5万4450円になる。ちなみに昨年だと、健康保険料1500円、厚生年金保険料2500円、合計4000円でよかったんだよ。」
 

リエ
「差額が5万円を超えますね………。もっとも去年までは賞与にかかる社会保険料は0.8%だったのが、今年から10.89%になるんだもの。1割も増えたら、仕方ないですよね。それじゃ、Bさん(55歳)の場合も同じですね。」

 
旭課長
「いや、40歳以上65歳未満の人からは介護保険料も徴収しなければならない。Bさんの場合、介護保険料として100万円×4.45/1000=4450円を、健康保険料4万1000円、厚生年金保険料6万7900円と併せて控除するから、社会保険料の合計は11万3350円になるんだ。」

リエ
「そうか、今度から賞与にも介護保険料がかかるんだったわ。それにしても、賞与にかかる保険料が増えることは知っていましたが、実際に計算するとすごく損をした気がします。」

守田先生
「総報酬制の一番大きな影響は、毎月の社会保険料が少し減った分、賞与から引かれる保険料が増えることだったね。」

リエ
「わかっています。とは言っても………。そうだ、旭課長。まだ間に合います。社会保険料の増加分として賞与を1割上げてください。」
 


旭課長
「リエちゃんの気持ちはよくわかるよ。だからこそ、社員が一丸となって売上予算を達成しよう。そうすれば来期は賞与を多くもらえるようになるさ。」

リエ
「………。やぶへびだったかしら?」