タイムカード導入時の注意点
   
カテゴリ:人事労務
作成日:11/13/2007
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 旭課長が社内ミーティングで、時間管理について説明をしています。
 

旭課長
「当社では出退勤管理にタイムレコーダー導入を検討しています。これまでは職場の管理職が出退勤時間を個別に記録してきましたが、社員のシフト勤務が複雑になったことやパートタイマーの活用が多くなったことで、管理職が全員の始業・終業時刻に立ち会うことができないケースが増えました。一部の社員から、早くタイムカードを入れるべきだ、という声もあり、来年1月から正式に導入しようと計画しています。この件について、皆さんのご意見を伺いたいと思います。亀井工場長、いかがでしょうか?」

 


亀井
「大賛成だね! 工場にはいろんな勤務パターンがあるから、今まで大変だったんだよ。これで少しは楽させてもらえるかな。」
  

恵子
「タイムカードを導入すると、時間がはっきり記録されるので、早出とか残業が問題になりそうな気がします。タイムカードの打刻時間と始業・終業時間との関係をきちんとしておいた方がいいんじゃないでしょうか?」

 
亀井
「おっと、大事なところだな。5分早く来た、とか、15分残業になった、とか言われても困るからね。」

旭課長
「まず始業時間の取扱いですが、出社時のタイムカード打刻時間をもって勤務開始とは判断しません。当社では就業規則に記載されている通り、始業時間には“所定部署で業務に就ける状態にあること”と定められています。よって、特段の業務指示がない場合は、多少早めに出社しても個人的な準備時間と推定して、会社が定めた始業時間をもって業務開始といたします。また、終業時間については、定時から実際に退出するまでの時間が30分程度であれば、一般的に退勤猶予時間と判断されますから、残業扱いしません。もしそれ以上社内に留まって仕事をする場合は、所属長に残業申告書を提出することを制度化し、業務指示に基づかないものと厳格に区別しようと思っています。もっとも、今、申し上げたことは月給制の社員を対象にした考え方なので、時間給のパートタイマーはきちんと定時で業務終了させてください。」
 


リエ
「なるほど、社員の場合は30分くらいなら残業扱いしなくてもいいんだ。でも、私が心配なのは遅刻がバレちゃうことだわ。そうだ、遅れそうになったら恵子さんにこっそり打刻しておいてもらおうかな………。」
 
旭課長
「リエちゃん、聞こえたよ!  タイムカードの不正な代替打刻は懲戒処分の対象になるから、やめておこうね。」