教育訓練給付制度の拡充
   
カテゴリ:人事労務
作成日:10/21/2014
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  





リエ
「守田先生、雇用保険の教育訓練給付制度がこの10月から拡大されると聞いたんですけど、どのような内容なんですか。」
 


守田
「おっ、リエちゃん、キャリアアップでも考えているんですか。」


 

リエ
「いえいえ、内容だけどんなものか興味があるんですよね。」

守田
「そうですか。じゃあ、簡単だけど説明しますね。」

リエ
「はい、お願いします。」

守田
「そもそも、教育訓練給付は労働者などが自ら費用を負担して厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講し終了した場合、その費用の一部を補助してくれる雇用保険の給付制度でしたね。この従来の教育訓練給付金が、平成26年10月から『一般の教育訓練給付金』として引き継がれ、それに加えて新たに『専門実践教育の教育訓練給付金』という給付金が追加されたんです。」

リエ
「なんか名称が難しいですね~。」

守田
「確かにそうですよね。前者の『一般の教育訓練給付金』は、従前の制度を引き継いでいて、雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めての受給の場合は当面1年以上)など一定の要件を満たす方が、厚生労働大臣指定の一般教育訓練を受講し終了した場合に、受講費用の20%(上限10万円)を受給できるというものです。」

リエ
「それはなんとか分かります。」

守田
「後者の『専門実践教育の教育訓練給付金』は、新たに創設された制度になります。雇用保険の被保険者期間が10年以上(初めての受給の場合は当面2年以上)など一定の要件を満たす方が厚生労働大臣指定の専門実践教育訓練を受講した場合、その受講期間中、または終了したときに、本人が支払った受講費用の40%(年間上限32万円)が原則2年(最大3年)支給されるというものになります。さらに資格等を取得し受講終了日の翌日から1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された方(また既に雇用されている人)については20%上乗せされ合計60%(年間上限48万円)の支給がされるんですよ。」

リエ
「なるほど、要件は厳しくなったけど、給付額が大幅に増えたということですね。」

守田
「また、平成30年度までの時限措置として、45歳未満の離職者で一定の要件に該当する方がこの『専門実践教育訓練給付金』の対象となる講座を受講した場合、その受講期間中は『教育訓練支援給付金』が支給されます。支給日額は原則として雇用保険の基本手当の日額の50%となります。」

リエ
「雇用保険の基本手当というのは、一般的に失業保険とよく言われているものですよね。」

守田
「その通りです。リエちゃん、よく勉強をしてますね。」

リエ
「このご時世、何があるか分かりませんから予備知識として。それにしても今回の教育訓練給付の拡充は凄いですね。」

守田
「そうですね。今回の制度拡充は中長期的なキャリアアップの支援になりますから、雇用の安定や人材の育成を視野に入れているのではないでしょうか。」

リエ
「確かにそうですね。」

守田
「ただし、今回の新制度については、よく見ると手続きの期限など細かい要件もありますから、事前にお住まいの地域のハローワークで確認をしておくと良いですね。」