労働者の雇用を維持するための助成金
   
カテゴリ:人事労務
作成日:11/04/2009
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 今日は、社会保険労務士の守田先生がリエちゃんの元にやって来ています。

リエ
「先生こんにちは。今日は中小企業(※1)緊急雇用安定助成金について教えてください。」
 


守田先生
「うん。今って、経済状況がとっても冷え込んでいるだろ。そうなってくると事業主は事業規模を縮小してこの不況を乗り切らなきゃならないよね。場合によっては、従業員をやめさせなければならなくなる。」
 
リエ
「ええ、従業員を一定の理由で休ませる場合は、休業補償として賃金の最低6割は払わなければいけないって労働基準法26条で決まっていますからね。使用者としては休業補償が支払えず、泣く泣く解雇せざるをえないっていう場合もありますよね。」

守田先生
「そう。そうなってしまうと経済状況はますます悪くなってしまうよね。だからなるべく解雇しなくて済むよう、休業補償(※2)の一部を国が負担することにした。それがこの制度なんだよ。」
 

リエ
「先生、良く分かりました! 雇用主にも従業員にも非常に有意義な制度ですね! 黒田さんにも教えてあげなくっちゃ!」

 

※1 中小企業の定義

小売業

 資本金5000万以下  又は 従業員50人以下

サービス業

 資本金5000万以下  又は 従業員100人以下

卸売業

 資本金   1億円以下  又は 従業員100人以下

その他の業種

 資本金  3億円以下  又は 従業員300人以下
 

※2

 実際は休業補償だけでなく、教員訓練、出向を行って労働者の雇用を維持した場合にもこの制度の適用があります。

受給要件

1)

雇用保険の適用事業主であること

2)

売上高又は生産量などの事業活動を示す指標の最近3ヵ月間の月平均値が、その直前の3ヵ月又は前年同期に比べ5%以上減少していること(ただし、前期決算等の経常損益が赤字であれば5%未満の減少でも可)

3)

労働者の休業、教育訓練又は出向を行い、休業手当若しくは賃金を支払い、又は出向元事業主が出向労働者の賃金の一部を負担すること

受給金額


休業:厚生労働大臣が定める方法により算定した額(1人1日)×5分の4


教育訓練:1人1日あたり6000円


出向:出向元事業主の負担額×5分の4