残業手当をもらえない人はかわいそう……
   
カテゴリ:人事労務
作成日:08/19/2003
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 後輩の恵子さんが給与計算で気になったことをリエちゃんに質問しています。
 

恵子
「リエ先輩。前から気がついていたんですが、旭課長って私たちより随分多く働いているのに残業手当がつかないんですよね。残業手当の対象にならないのはどういう条件の人でしたっけ?」

 
リエ
「そういえば、きちんと考えたことはなかったなぁー。旭課長は『課長』だから残業がつかないのよ。ちょっとかわいそうだけどね。」

旭課長
「うーん、かわいそうだと思ってくれるのはありがたいけど、管理部門の担当者としてはきちんと理解しておくべき内容だね。」

リエ
「その声は………、旭課長。すいません、聞こえているとは思いませんでした。」

旭課長
「あはは、いいんだよ。でも覚えておいてね。時間外勤務や休日出勤に関して、次の4つの業務に該当する人は適用除外なんだ。」

 1)農水産業従事者
 2)管理監督者
 3)監視・断続的業務従事者
 4)宿日直勤務者

恵子
「当社では管理監督者が該当すると考えていいんでしょうか?」

旭課長
「そうだね。農水産業は該当しないし、今のところ監視・断続的業務(守衛さん等)や宿直・日直勤務も実施していない。」
 


リエ
「一口に管理監督者といっても、工場長、課長、係長、主任などがあります。役職者全員が該当するわけではなかったと思いますが?」
 
旭課長
「その通り。職位の名称とは関係なく、あくまでも実態で判断する必要がある。職務内容、責任と権限、勤務様態、賃金等の待遇によって各社毎に決めるんだ。当社では、基本的に課長以上の役職者は経営者と一体的な立場にあるという考え方で、残業手当や休日出勤手当の対象から除外している。」

恵子
「ありがとうございました。良く理解できました。」

リエ
「なるほど。私や恵子さんが超過労働をすると、会社にとっては残業手当が増えるから、経費削減には旭課長に残業をお願いすればいいのかもしれませんね。」
 

旭課長
「おいおい、お手柔らかに頼むよ。経費削減にはみんなで業務の効率化を進めるのが一番さ。よーし、仕事、仕事!頑張ってくれよ。」