わたしたちの年金は大丈夫なの?
   
カテゴリ:人事労務
作成日:06/19/2007
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 今日は社会保険労務士の守田先生の訪問日です。
 


リエ
「守田先生、年金問題でテレビや新聞は連日大騒ぎです。何でも、社会保険庁には誰が納めたかわからない年金保険料の納付記録が5000万件もあるそうですね!どうしてこんなことになったんでしょう?」
 
守田先生
「うーん、大問題だね。今回の騒動の原因として一番大きいのは、平成9年の基礎年金番号の導入だと思う。それ以前は、転職(厚生年金)や転居(国民年金)等によって1人で複数の年金番号を持っていても不思議じゃない時代があったんだ。つまり、1人につき複数の納付記録があったものを、社会保険庁が氏名や生年月日を基に把握できる範囲で1つに統合した。しかし残念ながら、当時の入力ミスや元々の記録の間違いなどにより、未統合の記録が5000万件にのぼるということらしい。」
 

旭課長
「現役世代の私たちでも心配するくらいですから、現在年金を受給している方々は不安でしょうね。具体的には、納付記録をどのように確認したら良いのでしょう? 政府は“1年以内に未統合記録5000万件を被保険者・年金受給者の記録と突き合わせる”と言っていますが、我々の感覚からすれば自分自身で確認した方が早いし、安心だと思います。」

 
守田先生
「最も現実的なのは、年金手帳(基礎年金番号通知書)を持参して社会保険事務所で納付記録の照会を受けることです。転職(転勤)や転居が多かった人は略歴の記録(メモ)を持って行くと良いですね。記録の照会はどこの社会保険事務所でも可能なので、会社や自宅に近いところで構いません。でも、今の時期はどこも混んでいると考えて間違いないでしょうから、2~3時間は待たされることを覚悟しておいてください。」

リエ
「この間、別件で社会保険事務所へ行ったんですけれど、年金相談の待合室が殺気立っていて恐かったなぁ。心配だから相談に行ったのに、さらに長時間待たされて、みんな怒っていました。」



守田先生
「社会保険事務所の窓口に行けない人には、電話相談(年金ダイヤル)やインターネットでも自身の年金加入履歴が確認できるんだけれど、残念ながら電話がつながりにくかったり、インターネットの場合は本人確認のためのID・パスワード取得に時間がかかったりと、それぞれ問題があるのが現状だね。とはいえ、社会保険庁の職員だけでは足りないので、民間の専門家として我々社会保険労務士も社会保険事務所の窓口や電話相談の協力を行うし、できるだけ迅速な対応ができる体制を整えているんだ。こうなると、早く事態が鎮静化することを願っているよ。」
 
リエ
「ありゃ、守田先生も大変なんですね。マスコミも不安をあおるだけじゃなく、国民が落ち着いて行動できように呼びかけてほしいものだわ!」