育児休業給付金の延長
   
カテゴリ:人事労務
作成日:02/10/2015
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 今日は社会保険労務士の守田先生の訪問日です。


リエ
「先生こんにちは。早速ですがおうかがいしてよろしいでしょうか。」


 




守田
「はい。どうぞ。」
 

リエ
「育児休業中の女性社員から、お子さんが保育所に入れそうもないから休業と給付金の延長をお願いしたいと申出がありました。休業の延長については会社の承認を得ることでよいかと思うのですが、給付金の延長はどのようにしたらよいでしょうか。」

守田
「まず、育児休業給付金は、

1.

1歳未満の子を養育するために育児休業を取得した一般被保険者が

2.

育児休業を開始した日の前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上の月が通算して12ヵ月以上あること
の2つの要件を満たした休業の場合に受給することができる雇用保険の給付金です。」

リエ
「はい。休業開始から2ヵ月に一度手続きを行うんですよね。」

守田
「そうです。育児休業給付金は、原則として子が1歳に達するまでなのですが、保育所に入所できない理由がある場合には1歳6ヵ月までの延長が可能です。」

リエ
「保育所の待機児童の状況は相変わらず厳しいと聞きますね。具体的な延長手続きについて教えていただけますか。」

守田
「初回は受給資格確認のため様々な書類を用意しますが、2回目以降の手続きでは『育児休業給付金支給申請書』と確認書類として賃金台帳・出勤簿をハローワークに持参していますよね。」

リエ
「はい。」

守田
「延長したい場合は、子が1歳になる前後の申請の際に、申請書等に加えて市町村が発行した、保育所による保育が実施されない事実を証明する書類の写しを添付します。」

リエ
「保育所による保育が実施されない事実を証明する書類ですか?」

守田
「多くは『不承諾通知書』と言われるものです。市町村は、保育所の入所申込みに対し、入所できる場合できない場合ともに申込者に通知をします。その入所できない場合の通知書を、ハローワークの延長の手続きの際に使用するのです。」

リエ
「それでは保育所の入所の申し込みをしておかなければならないのですね。」

守田
「そうなんです。それも1歳の誕生日において保育が行われていないことが延長の要件となります。多くの市町村では各月の1日付けでの入所がほとんどかと思います。例えば、2月10日生まれのお子さんを養育する被保険者の延長では、2月1日付けで入所希望の申し込みをし、その申し込みが認められない状況である場合に延長が可能となるのです。」

リエ
「なるほど。」

守田
「保育所の申込期限は、市町村によっては入所希望月の数ヵ月前で締め切る場合もあるようですから、申し込みのタイミングについては、休業中の方が直接市町村に確認して申し込みをしておかなければなりません。」

リエ
「例えば、待機児童が多くて申し込みしても到底入れそうもないので申し込みしなかったような場合はどうなのでしょうか。」

守田
「延長の申請の際に、不承諾通知書を添付しなければなりませんので、申し込みをしなかった場合は延長はできません。」

リエ
「そうなんですね。」

守田
「育児休業給付金に限ったことではありませんが、給付金の申請は事前準備が肝心です。また、申請時期を過ぎると原則として受給できないので、スケジュールにも十分気を付けてくださいね。」