テレワークの導入に助成金が出るの?
   
カテゴリ:人事労務
作成日:06/16/2015
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  



リエ
「そういえば、以前、テレワークについてお聞きしましたけど、それを実施する中小企業事業主に対して、助成金が出るというのは本当ですか。」


 




旭課長
「うん、職場意識改善助成金(テレワークコース)のことだね。一定の要件はあるけど本当だよ。テレワークは労働時間等の設定の改善及び仕事と生活の調和の推進を図るために有効な勤労形態の一種だけど、比較的規模が小さな中小企業等にも助成金を使って積極的にテレワークの導入に取り組んでもらいたいというのがあるんだろうね。」
 

リエ
「確かに今は育児や介護の問題もありますし、多様化するライフスタイルにテレワークの導入で応えることができますよね。私は満員電車に乗ることなく自宅でゆっくり仕事をしてみたいな~。」

旭課長
「現代の社会問題に触れつつも、リエちゃんはそこか~。」

リエ
「いやいや、冗談ですよ~。それで、その助成金を受けるための要件はどういったものなんですか。」

旭課長
「適用要件はいくつかあるんだけど、まず、支給の対象となる事業主は、次の4つに該当する必要がある。1.労災保険の適用事業主であること、2.テレワークを新規導入すること(試行的に導入しているものも含む)、3.テレワークの実施に積極的な意欲があり、且つ成果が期待できること、4.次の表のいずれかに該当すること。

業種
A.資本または出資額
B.常時雇用する労働者
小売業(飲食店含む)
5000万円以下
50人以下
サービス業
5000万円以下
100人以下
卸売業
1億円以下
100人以下
その他の業種
3億円以下
300人以下
 

リエ
「業種などで分かれているんですね~。」

旭課長
「そうだねぇ。それからどんな取り組みが支給の対象となるのかという要件が次の通りになる。」

〈支給対象となる取組み〉◎下記のいずれか1つ以上を実施する



テレワーク用通信機器の導入・運用(※1)


労務管理担当者や労働者に対する研修、周知・啓発


保守サポート料、通信費


クラウドサービス使用料


外部専門家(社会保険労務士等)によるコンサルティング


就業規則・労使協定等の作成・変更
 
(※1)パソコン、タブレット、スマートフォンは対象外

旭課長
「また、上記の〈支給対象となる取組み〉について、次の『成果目標』両方を達成することを目指して実施する必要があるんだ。」



評価期間に1回以上、対象労働者全員に終日、在宅またはサテライトオフィスにおいて就業するテレワークを実施させる


評価期間において、対象労働者が終日、在宅またはサテライトオフィスにおいてテレワークを実施した日数の週間平均を1日以上とする
 

「それで、『成果目標』の評価期間は、事業実施期間(事業実施承認の日から平成28年2月15日まで)で、1ヵ月から6ヵ月の間で設定するんだよ。」

リエ
「へぇ~、期間を定めて実施状況を見ていくわけですね。ところで、どれくらい補助されるんですか。」

旭課長
「それはだね、支給対象となる取組みに要した経費の一部が補助されるんだけど、その『成果目標』の達成状況に応じて補助率が異なっているんだ。どんな経費が対象になるかというと、謝金、旅費、借損料、会議費、雑役務費、印刷製本費、備品費、機械装置等購入費、委託費(※2)などがある。助成額は『対象経費の合計額×補助率』(※3)で求めることになり、その補助率は下記の表の通りになっているよ。」

(※2)契約形態がリース契約、ライセンス契約、サービス利用契約などで評価期間を超える契約の場合は、評価期間に係る経費のみが対象

(※3)上限額を超える場合は上限額となるが、その上限額は「1人当たり上限額」×対象労働者数または「1企業当たり上限額」のいずれか低い額となる

成果目標の達成状況
達成
未達成
補助率
3/4
1/2
1人当たり上限額
6万円
4万円
1企業当たり上限額
150万円
100万円
 

リエ
「なるほど。仮に目標を達成できなかったとしても、一定の補助は受けられるわけですね。テレワークの導入を頑張れば国も援助は惜しまないってことですね。」

旭課長
「そうかもしれないね。実務では、助成金の申請から受給までに各段階があるから、窓口のテレワーク相談センターに聞くなどして洩れがないようにしないといけないね。」