決算書を知ろう(1)~会社の状態を知る
   
カテゴリ:財務/資金繰り
作成日:04/15/2003
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


リエ
「旭課長、先日恵子さんから決算書について聞かれたんですが、うまく説明できなくて…」

旭課長
「う~ん、確かに決算書について分かりやすく説明するっていうのは難しいかもしれないね。」

リエ
「はい、私も何となくは分かっているつもりなんですが、人に説明するとなると…」

旭課長
「まあ、専門的なことを考えたらとても難しいことだし、それを勉強したいのであればそれなりに時間をかける必要があるから、決算書の意味や簡単な見方ということであれば少し話してみましょうか。」

リエ
「はい、お願いします。」
 

旭課長
「決算書には貸借対照表と損益計算書があるのはもちろん知っての通りだけど、これらが何のために作られているかというと、会社には色々な利害関係者がいて、例えばその会社に出資をしている人や、お金を貸している人などがそれにあたるんだけど、そういう人達にとってはその会社が今どういう状態かということがとても重要になってくるんだよね。」

 
リエ
「はい。」

旭課長
「ただ、会社の状態っていうのはそう簡単には分かるものじゃなくて、特に外部の人にとっては何もなければ全くと言っていいほど分からない。状態の分からない会社に出資をしたりお金を貸したりする人はいないし、既に出資をした人やお金を貸した人は会社の状態が分からないままでは出資したお金や貸したお金がどうなってしまうかも分からない。こういったことから会社は、その利害関係者の人達が会社の状態を把握する判断材料としてもらうために、決算書を作成するんだよ。」

リエ
「なるほど、確かに決算書がなければその会社にどれだけ財産があるかとか、どれだけ利益をだしているかが分からないですね。決算書って大事なものなんですね。」

旭課長
「そう、そして決算書というのは、誰が見てもある程度その会社の状態が判断できるようでなくては意味が無いから、適当に作ればいいというのではなく、企業会計原則等で決められた会計基準に則って作成しなければならないんだよ。」
 


リエ
「それはそうですよね、同じ会社の決算書なのに作る人によって売上や利益の金額が違ってたりしたら信用できないし、別の会社と比べたりするのも基準がバラバラだったりしたら比べられないですね。」
 
旭課長
「その通り、こういった外部の人に対しての意味がひとつと、会社自身としても今の状態が分からないようでは経営なんてできないから、自分の状態をきちんと把握するためといった意味ももちろんあるよね。まあ決算書の意味としてはこんなところかな、じゃあ次は簡単な見方を勉強してみようか。」

リエ
「はい。」