キャッシュフロー計算書はなぜ必要か?
   
カテゴリ:財務/資金繰り
作成日:07/17/2001
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


旭課長
「先日の役員会で、今期の決算から従来の財務諸表に加えてキャッシュフロー計算書も付けることに決まったけど、リエちゃん分かるかな?」

リエ
「キャッシュフロー計算書が必要なのは、株式を公開している会社だけではないのですか?」


旭課長
「確かに義務づけられているのは公開企業だけになっているけど、義務でなくてもキャッシュフロー計算書は資金の動きを分かり易く説明できるし、作成することで金融機関など対外的な信用を上げることに繋がる。また、将来公開するときにその準備をすることも必要でしょう。」



リエ
「あ、そうですね。以前、銀行から借入するときに、社長に資金の動きをきちんと説明できなくて困ったことがありました。確かに1期分の貸借対照表と損益計算書だけでは資金の動きはわからないですね。」

旭課長
「その通り、損益と資金の違いは前に説明した通りで、資金の動きを見るためには、損益計算書と2期分の貸借対照表が必要だね。キャッシュフロー計算書は、まさにこの問題を解決して、従来の財務諸表だけでは提供されない資金の情報を1つの表で分かり易く表現するためにあるんだ。」

リエ
「ところで、キャッシュフロー計算書はどのように作るのですか?」

旭課長
「計算書の構成は、(1)営業活動によるキャッシュフロー、(2)投資活動によるキャッシュフロー、(3)財務活動によるキャッシュフローの3つの区分に分かれていて、損益計算書の税引前当期利益から出発し、(1)まず、減価償却費や引当金などの非資金項目を除外し、売上債権、仕入債務、棚卸資産の増減を計上し、利息や配当金など営業外損益を除外して、純粋に営業上の資金増減を明らかにする。次に、(2)投資活動として、有価証券・固定資産などの取得や売却による資金増減を計上する。さらに、(3)財務活動として借入金や増資による資金調達や返済による資金支出を計上する。
手順は以上の通りだけど、コンピュータソフトが市販で提供されているので、作成に当たっては、それを使用することになるけどね。」