投資信託の仕組みとリスク
   
カテゴリ:財務/資金繰り
作成日:06/14/2016
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 経理部では、社長からの指示で資産運用を検討しています。そのため、本日は信用金庫の南条支店長に相談しています。




リエ
「こんにちは。今日はご来社いただいて、ありがとうございます。当社では資産運用を検討していますので、参考のために、支店長のお店で扱っている投資商品について、教えていただきたいと思います。」

南条支店長
「マイナス金利が騒がれるようになってから、リスクを伴っても投資商品を検討される方が増えました。その中で、”投資信託”が最も人気があるので、その辺の話から始めたいと思います。」

リエ
「預金を扱う金融機関が提案する”投資信託”って、どういうものですか。」

南条支店長
「まず、投資信託の仕組みですが、運用会社(投資信託会社)が、株式、債券、不動産などの投資対象を選択してファンド(投資信託)を作り、販売会社(銀行、証券会社など)を通じて、一般の投資家に販売します。投資家から集めた資金は、資産管理を専門とする信託銀行が保管し、運用会社は信託銀行に運用を指図します。その結果、運用成果に応じて投資家に分配される仕組みです。運用が失敗すれば、分配は投資した額を下回ります。」

リエ
「関係者はいろいろいますね。整理しますと、投資家、販売会社、運用会社(投資信託会社)、信託銀行ということでしょうか。」

南条支店長
「そうです。この中で、当金庫は販売会社になります。」

リエ
「ところで、投資信託のパンフレットを見ると、いろいろなタイプがあるようですが、大きくどのような分類があるのか知りたいです。」

南条支店長
「いろいろなタイプがありますが、一般的に投資対象によって、以下のような分類をしています。
・株式型:国内外の株式に投資するもの
・債券型:国内外の債券に投資するもの
・不動産投信型(リート):国内外の不動産に投資するもの
・資産複合型:上記を複合化したものです。」

リエ
「株式、債券、不動産とか、みな価格が変動しますが、投資信託の運用の評価を見るときにどのような指標があるのですか。」

南条支店長
「運用実績を見る主な指標として、以下のものがあり、個別ファンドの実績資料等に掲載されていますので、参考にしてください。
・騰落率:基準価格がどれだけ上昇または下落したかを表す数値で、運用実績を見る代表的指標。
・標準偏差:基準価格のバラツキ度合を示す統計的な数値で、価格変動すなわち値動きの大きさを示す。
・シャープレシオ:リスクに対するリターンの大きさを示す数値です。」

リエ
「最後に、投資信託にはどのようなリスクがあるか教えてください。」

南条支店長
「値動きのある株式や債券などに投資するため、基準価額は市場の動向により変動します。主な変動要因には以下のものがあります。
・価格変動:株価・債権など取引市場での価格に応じて基準価格は変動する。
・為替変動:外国通貨建て投資信託の場合、為替変動の影響を受ける。
・信用(デフォルト):利息や償還金を予定通りに支払うことができなくなるリスク。
・金利変動:債券価格は金利変動による影響を受けます。
お客様には、このようなリスクを説明した上で、運用をお願いしています。」

リエ
「マイナス金利時代、投資の選択肢は増えていますが、リスクが伴うだけに学習も必要になりますね。今日はありがとうございました。」