クラウドファンディングによる資金調達方法(1)
   
カテゴリ:財務/資金繰り
作成日:01/19/2016
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


本日は、中小企業診断士の新藤さんに、最近急速に増えているクラウドファンディングによる資金調達の方法について相談しています。


リエ
「先日、当社があるイベント広告のデザインと印刷を受注しました。それに付随して発注した会社が、そのイベントを当社と共同で開催したいという提案がありました。そこで、社長はその話を受けて、開催資金の調達方法としてクラウドファンディングを使えないかと言われたので、私のほうで調査することになりました。よく分からないので、どのようなものか教えてください。」


新藤
「なるほど。クラウドファンディングは世界的に拡大している資金調達法だから、日本でもアベノミクスの日本再興戦略に組み込まれて政府が支援しています。大雑把に言うと、”インターネットを経由して、個人や企業が、製品・サービスの開発などのために、不特定多数の人々から資金を調達する仕組み”ということになります。crowd(群集)からfunding(資金調達)するという意味で作られた造語です。」

リエ
「インターネットを通じた資金調達ということは、クラウドファンディングのサイトを運営する業者がいるということですね。」

新藤
「そうです。成長分野なので、IT業界、証券業界、金融関連業界などいろいろな業界から参入しています。業者によって得意分野が異なりますので、資金調達の目的に合う業者を選ぶことは重要なポイントです。」

リエ
「利用者とともに業者も増えているということですね。ところで、具体的にどのような仕組みですか。」

新藤
「資金調達したい人又は企業は、製品開発、サービス提供、イベント開催等の企画をプロジェクトとして、業者のサイトに掲載します。そして、一定期日までの間に、プロジェクトに共感する人が支援者となって資金を提供します。All or Nothing型と呼ばれる方法では、目的の資金が集まった時点でプロジェクトが成立し、プロジェクトの起案者は集まった資金をサイト運営者から受け取って、それを元手にプロジェクトを実行します。目的の資金が集まらなかった場合は、プロジェクトは実行されず、集まった資金は支援者に返金されるという仕組みです。ダイレクト型と呼ばれる方法は、支援される金額の大きさにかかわらずプロジェクトは実行します。資金調達者は、プロジェクト企画とともにどのようなタイプの資金調達かをサイトに掲載します。支援者はサイト上に掲載されたプロジェクトの情報の中から、自分が支援したいプロジェクトに資金を提供し、プロジェクト実行後は状況の報告を受けたり、見返りとして商品、サービス、貸付金利、出資配当金などを受け取ります。」

リエ
「支援者は見返りを求めている場合が多いと思いますが、どのような仕組みになっていますか。」

新藤
「クラウドファンディングは、見返り(リターン)のタイプとして、大きく寄付型、購入型、投資型の3種類があります。これについては、次回説明します。」
リエ「ありがとうございます。次回もお願いします。」