知っておきたい融資に関する基礎知識~パート2
   
カテゴリ:財務/資金繰り
作成日:03/08/2005
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 社長と旭課長が融資について信用金庫の南条支店長に相談しています。
 


社長
「金融機関は融資の審査で決算書をどのようにご覧になるのですか。利益が出ていないとダメですかね。」
 
南条支店長
「単純に利益だけでなく内容で判断します。赤字であっても、それが次年度以後にどのような影響があるかを見ます。不良債権を償却したり退職金の上乗せで一時的に損失が出ても、継続しないのであればマイナス評価にならないこともあります。一方、利益が出ていても減価償却を限度額までしていなかったり、役員報酬を下げて調整しているような場合は、やはりそれなりに評価します。」

旭課長
「決算書に対する信頼性というのはどう見ますか。会社によっては棚卸で利益調整したり、過去に遡及して修正したりするところもあると聞いていますが。」

南条支店長
「過去の決算との継続性や内訳の正確性、決算内容について経理責任者が的確に説明できるか、ということは審査上のポイントになります。」

旭課長
「融資を受けるとき事業計画を提出しますが、どのような点に注意すればいいのでしょうか。」
 

南条支店長
「損益計画と資金計画がベースになりますが、無理がなく現実的な計画になっているか、計画の中で融資する資金の使途が適切であるか、返済は可能か、不測の事態にも対応できる資金計画になっているか、目先だけでなく半年先・1年先を考えているかなど、計画の実現性や妥当性について評価します。」

 
社長
「事業の内容や経営者に対してはどのように評価しますか。」

南条支店長
「安定した取引先がどのくらいあるのか、提供する商品の競争力や販売方法の独自性についてよく検討しているか、経営者が自社のセールスポイントをきちんと説明できるか、などについて社長との面談の中で確認しながら評価します。」
 


旭課長
「そのほか、どのようなことに注意すればいいですか。」
  
南条支店長
「融資の内容によって異なりますが、一般に次のような点が審査ポイントになります。1.当金庫との取引状況、定期預金とか売上入金や給与支払の有無など。2.自己資金がどれくらいあるか、制度融資では融資額が自己資金の範囲内というものもあります。3.保証人の保証能力や担保価値。4.許認可や資格が必要な事業においては、その証明の有無。5.納税証明書による未納税額の有無も審査上のポイントになります。そんなところでしょうか。」

社長
「融資の審査というのは会社の健康診断と考えればいいのかな。会社が健康であれば、希望通りの融資が受けられるということですね。」