「信用保証枠を拡大する」ってどういうこと?
   
カテゴリ:財務/資金繰り
作成日:11/04/2008
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 信用金庫の南条支店長が融資の案内のために来社しました。
 


リエ
「支店長、最近の新聞で金融対策のことがいろいろ話題になっていますね。その中で、“中小企業の資金繰り支援のため信用保証枠を拡大する”とありますが、どういうことでしょうか。」
 
南条支店長
「信用保証とは、中小企業者が金融機関から融資を受ける際、信用保証協会に債務保証をしてもらう制度のことです。信用保証協会は、中小企業者の金融円滑化のために設立された公的機関のことで、事業を営んでいる方が金融機関から事業資金を調達される時に、信用保証協会の“信用保証制度”をご利用いただくことで、資金の調達がスムーズになります。」

リエ
「信用保証制度というのは、金融機関の融資に対して保証協会が保証人になってくれるということですね。」

南条支店長
「はい、そうです。そのおかげで金融機関としては安心して融資ができるわけです。保証の金額は企業ごとに事業実績に応じて決められ、それを保証枠と言っています。」

リエ
「わかりました。それで、信用保証枠を拡大するということは、保証協会が保証してくれる金額を特別に増やすということですね。」
 

南条支店長
「従来でも、セーフティネット保証(経営安定関連保証)など国の施策に基いて、特別に保証枠を設定するという制度がありますが、今回の金融対策でも、そのような特別な制度が必要になるということでしょう。」

 
リエ
「保証協会が保証人になるということは、保証協会も金融機関と同様に企業の審査をするということですよね。どのように審査するのですか?」

南条支店長
「全国には52の信用保証協会があり、各地域で密着した保証業務を行っています。保証協会の担当者は、保証に際しては決算書などの書面による審査だけでなく、企業の経営者と面談することもあります。また、すでに保証協会を活用している企業に対しては、信用度のランク付けを行っており、スムーズな保証審査ができるように対応しています。」

リエ
「保証協会に保証していただくときの費用はいくらでしょうか。」

南条支店長
「その費用を信用保証料と言います。企業個々の財務状況などを考慮して決定されますが、原則として保証金額に対して、年0.5%~2.2%の範囲内のものが適用されます。ただし、担保の提供がある場合や“中小企業の会計に関する指針”の適用状況を公認会計士または税理士がら提出されると、割引きになります。」