決算書を知ろう(2)~貸借対照表って何?
   
カテゴリ:財務/資金繰り
作成日:04/22/2003
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


旭課長
「リエちゃん、まず貸借対照表から話そうか。どんなことを知っているのかな。」
 


リエ
「貸借対照表は、借方の資産の部と貸方の負債・資本の部のそれぞれ左右の合計額が一致することからバランスシートともいうんですよね。そして、会社の決算期末の財政状況を表したものと言いますが、財政状況ってどんなことなのかな。」
 
旭課長
「そうだね、貸借対照表は左右の合計額が一致した形式で表示されたものが多いよね。まずその左側は、資産の部で会社が調達した資金等の使い道が表示されているんだよ。右側の負債の部は他人資本ともいって社外から調達した資金の源泉を表示しているし、資本の部は自社の株主等から出資してもらった資金や過去の利益で社内に残った資金であることから自己資本とも言われているんだよ。」

リエ
「課長、ちょっとへんです。負債の部って社外からの調達資金っておしゃいましたが、借入金は分かりますが買掛金や未払金がどうして同じと言えるんですか。」

旭課長
「うん、買掛金や未払金はそれが発生したからといって現金の入金があるわけではないけど、いわば取引先から借金をしているのと同じだろ。だからなんだよ。」

リエ
「な~るほど、それならば支払いを先延ばしすれば会社にとっては余裕資金が残ることになりますね。資金不足になりそうだったら掛けで買って手形で支払えばいいんですね。」

旭課長
「その通り。それじゃあ資産の部なんだが、大きく分けると流動資産、固定資産、繰延資産に区分され、そのうち固定資産は有形固定資産、無形固定資産、投資等に分かれているよね。」

リエ
「そうそう、流動資産というのは現預金、受取手形、売掛金それに商品等の棚卸資産でしたよね。」

旭課長
「うん、流動資産は資金回収され将来の支払資金となるものと販売される予備軍といったところかな。」

リエ
「固定資産は、長期間所有する建物、製造設備等の有形固定資産、形のない商標権、ソフトウエア等の無形固定資産それと株券、出資金等で長期間所有する投資等といったところかな。」
 

旭課長
「おいおい、マネするなよ。有形固定資産や無形固定資産は、長期間にわたって売り上げる製品を作り出すことから売上げに貢献する期間で少しづつ経費になっていくんだ。それに株券等の投資等には会社の余剰資金が将来の有用資産として使われているんだよ。」

  
リエ
「繰延資産はよくわからないです。」

旭課長
「そうだね、繰延資産は他の資産と違って売却できるといったものではないんだけど、商法で定められたものと税法上のものとがあるんだよ。要はその支払いの効果が長期間に及ぶことから相当の期間で経費とすべきものということで資産に計上されているんだよ。」

リエ
「う~ん、課長、資産の部だけで消化不良を起こしそうです。ちょっと、休憩させてください。」