手続きが緩和されている現物出資
   
カテゴリ:財務/資金繰り
作成日:09/28/2004
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


旭課長
「黒田さん、そういえば現物出資の規制が緩和されたんですよね。」

黒田さん
「ええ、昨年の4月からですがおっしゃるとおり緩和されたようですね。」

リエ
「現物出資って何ですか?」
 


旭課長
「現物出資というのは、会社を設立する時や資本金を増やすために出資を募る場合、通常は現金による出資ということになるんだけど、現金以外のものつまり現物を現金の代わりに出資に充てることをいうんだ。」
 
リエ
「ということは、出資をする人が持っている不動産などを出資の代金として会社に提供するということですか?」

黒田さん
「そうですね、不動産に限らず有価証券や債権などでもOKですよ。ただ、もちろん出資を募る会社側がその現物が現金と同等以上の価値があるものと認めなければ成立しませんけど。」

旭課長
「以前は、500万円を超えるような現物出資は面倒な手続きが必要だったんですよね。」

黒田さん
「ええ、現物出資額が500万円を超えるような場合などは裁判所が指名した検査役が検査をしなければならないという規定があって、その手続きにかなり時間と費用がかかってしまうということでした。」

リエ
「それがどのように緩和されたんですか?」
 

黒田さん
「その検査役の検査に代わって、弁護士や公認会計士、税理士などが出資に充てられる物を鑑定評価してその価値を証明すれば500万円を超えるような現物出資も認められるようになったんですよ。500万円以下で現物出資をするような場合などは元々そういった面倒な手続きは不要でしたが。」

 
旭課長
「ところで、我が社も社長からの借入金があるんですが、増資をする意味ってありますか?」

黒田さん
「そうですね、資本金が1千万円を超えると会社にかかる住民税の均等割が上がってしまうということや、もし1億円を超えるような場合は交際費が税務上全額経費として取り扱われなくなるなどといった不利な面もあるのですが、借入金が資本金に変わるということは会社の負債が減って資本金が増えるということで、会社の財務状況は良くなるということですから、金融機関などからの評価が上がるといったことが考えられますね。」
 


旭課長
「そうですか、じゃあちょっと検討してみようかな。」

リエ
「私にも現物出資できるような物があるかな。」