決算も終わらないのに、もう予算?
   
カテゴリ:財務/資金繰り
作成日:04/09/2002
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 今日はリエちゃんが、この間、旭課長に頼まれた仕事をやり終えて、それを旭課長に報告しています。

リエ
「課長、先日課長がおっしゃっていた前期1年間にかかった経費の内訳が完了しましたので、確認をお願いします。」

旭課長
「はい、お疲れ様。結構大変だったでしょ。」

リエ
「そうですね、1つの勘定科目の中でさらにどんな支払いが1年間で、どれくらいあったかを集計するとなると、主だったものだけとはいってもかなりの量がありますね。ところで、この集計した資料をどうされるんですか?」

旭課長
「うん、うちの会社の今期の予算を作成するための参考資料にするんだよ。」



リエ
「予算というと、よくニュースとかで聞く国家予算なんかも同じものなんですか?」

旭課長
「まあ、そうだね。ただ、国と会社では運営の目的が違うから予算をたてる目的も違うけど、収入(収益)や支出(費用)の目標や目安であることには違いないね。」

リエ
「まだ決算も完了していないのに…、そもそも予算を作らなければならない理由って何かあるんでしょうか?」


旭課長
「確かに、法律で作ることが義務づけられているわけではないし、決算も大事なんだけど、会社にとってはもう終わってしまった事業年度を振り返ることと同じ若しくはそれ以上に、これから始まる事業年度をどう営業していくかの方が大事だと思わないかい?」


リエ
「言われてみれば、それはそうですね。」

旭課長
「そのこれからの営業を考えるには、これからの1年間の数値的な計画というか目標を決めないと、どう営業していったら良いのかという方向性も見えにくくなってしまうんだよ。」

リエ
「う~ん、よくわかりません。」

旭課長
「例えば、まず1年間の目標利益を決めたうえで、その目標利益を達成するために必要な売上金額や経費の金額を計算して予算損益を作ったとして、仮に1年間その予算損益に従って営業することができたなら目標利益も達成できるでしょ。もちろん、そんなにうまくいくとは限らないし、実現性の低い計画を作っても意味がないから、うちの会社はリエちゃんに作ってもらった資料の他に、営業の人達にも今期の見込み売上を計算してもらっているし、印刷工場の方でも経費の見込みを計算してもらっているから、これらの資料を基に最終的には社長や伊豆野先生も交えて予算を決定するんだけどね。」

リエ
「そうか、予算があれば実績と比較して目標を達成するには売上が足りないとか、経費が多すぎるとかの分析もできて問題点が発見できるんですね。」

旭課長
「その通り。問題点が発見できればこそ、その対応策も考えることができるわけだからね。」

リエ
「少しわかってきました。予算って大事なんですね。」

旭課長
「そう、それと予算を実行するための努力と工夫も大事だね。」