倒産防止共済の共済金貸付条件
   
カテゴリ:財務/資金繰り
作成日:07/28/2009
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


社長
「中小企業基盤整備機構からはがきが来たんだけど。」

黒田
「中小企業倒産防止共済掛金納付状況兼領収書のことですね。」

リエ
「あっ、そうです。」
 

社長
「払込掛金合計額が370万円、控除金額が50万円とあるんだけど、掛金の上限が320万円のはずだから払いすぎていたってことかい? 最近資金繰りが厳しいから50万円の還付請求できるものならって思ったんだけど。」

 
黒田
「確か御社は、以前に取引先が破産したときに共済から500万円を借入しましたよね。」

社長
「ああ。あの時は、資金繰りをどうしようかと思ったけど、倒産防止共済に加入していたおかげで助かったんだよな。」

黒田
「倒産防止共済は、取引先が倒産等した場合に掛金総額の10倍まで無担保、無保証人、無利子で借入ができます。ただし……。」

リエ
「ただし?」
 


黒田
「貸付を受けた場合、貸付を受けた共済金の10分の1に相当する金額は、掛金総額から控除され、共済制度を運営する財源にあてられます。御社の場合、払込金額370万円のうち、過去に借入をした際の掛金の消滅額50万円がありますので、残りの320万円が現在の掛金ということになります。」
 
社長
「それって事実上の利息じゃないか。」

黒田
「そうですね。借入金の償還期間5年(据置期間6ヵ月を含む)と考えると、単純計算で年利2%となります。」

社長
「加入の時にそんな説明を受けたような……。まあ、それまで経費計上で節税できたし、急な資金繰りにも対応できたことを考えればしょうがない。」

黒田
「このはがきにもよく見ると、右側に補足説明がされているんですよ。」

社長
「本当だ。良く読まずに金額だけ見たもんだから。すまんね。」

黒田
「いえいえ、私も初めて見たときは、過払い分があると思いましたから。」