社長も経理業務に興味を持ちましょう!!
   
カテゴリ:経理事務
作成日:09/26/2006
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 今日は税理士の伊豆野先生と黒田さんの二人が揃って来社されました。なんでもうちの社長が同業者の社長を先生に紹介するそうなんですけど。ちょっと、訳ありみたいです。
 

社長
「先生、今日はお忙しいところお越しいただきありがとうございます。こちらが先日お電話でお話しした当山社長です。当山社長の先代には私も大変お世話になったものですから、今度は私がお世話する番だと思いまして。」

 
当山
「はじめまして、株式会社当山印刷の当山直善です。本日はお忙しい中お時間をいただきましてありがとうございます。」

伊豆野
「こちらこそ。初めてお目にかかります、税理士の伊豆野です。隣にいるのはタナカデザインオフィス様を担当している、黒田です。」

黒田
「よろしくお願い致します。」

社長
「早速ですが、当山さんのところを先生のところで見てもらえないでしょうか。」

伊豆野
「その前に、当山社長に確認しておきたいことがいくつかあるのですが、よろしいですか。」

当山
「どんなことでしょうか。」

黒田
「いままでは経理や税務申告はどのようにされていたんですか。」

当山
「実は半年前までは経理業務は社員に任せていたのですが、税務調査で私の覚えのない領収書が指摘されたことで、問いつめたところ会社のお金を個人的に使用していたことが分かりまして、それで辞めてもらったのです。それっきり経理は進んでいないんです。」

伊豆野
「そうですか。」

黒田
「経理担当者の募集や、内部で協力していただける人はいないんですか。」

当山
「なかなか信頼できそうな人に巡り会わないものですから、できれば税理士事務所さんの方で全部お願いできないかと思ったわけです。」

伊豆野
「当山社長、私は通常の経理業務は社内で完結すべきだと思っております。私のお手伝いできるのは皆様の不安を取り除くことです。もし全てを税理士事務所が行ってしまえば、そこには当山社長の経営に関する意思が反映されず、単なる作り物でしかありません。経理は誰がやっても同じではありません。おそらく当山社長は最後に出てくる決算書の合計値にしか興味がなかったのでしょう。だからその裏にある病巣を社長は見逃してしまったのではないでしょうか。」

当山
「それでは、私はどうしたら良いのでしょうか。」
 


伊豆野
「まず、人と人の信頼関係は一朝一夕に築けるものではありません。ですから社長も経理に興味を持ちましょう。会社の経営にとって営業も大事ですが、それを支える総務・経理の部署がなければ力を発揮できないと私は考えます。営業と総務・経理は車でいう両輪なのです。社長、会社は社会に貢献することも使命です。そのためにできることならばご協力させて下さい。」
 
当山
「わかりました。今までは『信頼』ということを任せっきりにすることと勘違いしていたんですね。これからは私も伝票を決済することからはじめます。」

黒田
「ところで当山社長の会社はどちらにあるのですか。」

社長
「あれ、言ってなかったっけ。」
 

黒田
「ええまだ伺っておりませんが。」

当山
「タナカデザインフィスさんの隣ですよ。」

 
社長
「ここらの地域は印刷業者のたまり場だからね。」

当山
「ですから、今後はこちらにもお伺いさせて頂きますね。」

伊豆野
「こちらの総務・経理部署は信頼できる方々ですから、是非見本にして下さい。」

当山
「田中社長、今後ともよろしくお願いします。」

社長
「こちらこそ。」