入出金の決裁は経理の重要な仕事
   
カテゴリ:経理事務
作成日:05/18/2004
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


営業部から出張旅費の仮払いの伝票が回ってきました。
  


リエ
「現金を出金するときのルールが明確になってないように思います。例えば、工場では、備品消耗品を購入するとき、専用の稟議書に工場長の承認印が必ずありますが、営業部では、営業担当者が直接、承認印のない仮払いの伝票を持って来ます。」
  
旭課長
「現預金の管理は経理の重要な仕事だから、それを動かすルールは明確にしておく必要があるね。そこをいい加減にしていると横領などという、とんでもない事件が発生することもある。経理から入出金するときは、そのような疑いが発生しないような仕組みを作っておくことが重要だね。」


リエ
「よく営業担当者から、仮払いをお願いされることがあるんですよ。課長がいないときに、緊急ということで事後承認で出金することもありますが。」


旭課長
「まず、現金の入出金を考えよう。他部門からの出金依頼の場合、必ず所属長の承認印のある専用伝票を提出してもらうことにする。仮払いの場合は仮払出金のときに仮払伝票、精算時には精算の伝票と領収書を添付することにする。交通費などで領収書がない場合は、社内書式に内容を記入した明細を添付するようにする。」


リエ
「出金したものの中には、お客様に立替金として請求するものもあるようですが。」


旭課長
「立替金はお客様への請求内容と照合するので、経費とは別に明細を作る必要がある。だから、現場の担当者が記入する伝票には、立替金は経費と区別して分かるように記入してもらう。」


リエ
「役員から依頼されて出金することや、税金など経理課から直接出金することもあります。」


旭課長
「その場合は、リエちゃんが出金伝票を起票して、私が承認するということにしよう。」


リエ
「あと、現金入金の場合、入金の内容がよくわからなくて処理に困る場合があります。」


旭課長
「現金入金については、入金日、入金先、入金額の他に、入金の内容が売掛金の回収なのか、あるいは現金売上(請求を出していない売上入金)なのか分かるように伝票に記入してもらうことが重要。伝票の書式も分かりやすく工夫したい。」


リエ
「業者からの請求書など預金支払いの場合は、現金とは違いますね。」

 

旭課長
「まず、納品書は現場で現品と照合した後に経理課に提出してもらう。そして、納品書に金額が書いてある場合は、経理課で納品書と請求書を照合する。納品書に金額が書いてない場合は、発注部門に請求書と納品書を渡してチェックしてもらい、さらに所属長の承認をもらう。経理課では、それらをまとめて支払いの一覧表を作成し、預金振込する。」

 
リエ
「入出金の管理がきちんとしていないと、後で不明金が発生した場合など経理課が疑われますからね。」


旭課長
「その通り。現預金の入出金伝票に関しては、残高が合っているというだけなく、忘れたころに見ても内容がわかるように、なるべく詳細に記入しておくことが基本だね。」