預手(ヨテ)って何ですか?
   
カテゴリ:経理事務
作成日:02/06/2007
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 社長と旭課長が、来月購入予定の社宅用のマンションについて、不動産業者営業の鳥飼さんと打ち合わせをしています。
 


社長
「ご苦労様です。今日は、売買の契約手続きと支払方法について、確認させていただきたくて、お越しいただきました。」
 
鳥飼
「ありがとうございます。契約とお支払いの方法ですが、通常、売買の契約をするときに、売買代金の5%から10%くらいの手付金を支払います。そして、残金の決済をしたとき、譲渡の登記手続きを行います。そこで、残金の決済は、金融機関で司法書士が立ち会って行い、その場で登記申請書類などに署名捺印します。」

社長
「ところで、手付金は現金で用意しますが、残金は金額が大きいので、現金では危険だし、どうやって決済しますか。」

鳥飼
「金融機関が立ち会って、相手の指定口座に振込依頼をして確認したり、あるいは預手(ヨテ)で決済することも多いです。」

社長
「ヨテって何ですか?」

鳥飼
「預手は“預金小切手”の略称で、金融機関が支払人として振り出す“自己宛小切手”の一つです。不動産の決済など、多額の金銭のやり取りにおいて、持ち運びが便利でかつ安全な方法なので多く使われています。預手は支払う側が金融機関に発行依頼してもらうとき、現金を金融機関に預けていますので、不渡りなどの心配はありません。」

社長
「普通の小切手とどこが違うのですか?」
 

旭課長
「普通の小切手は、振出人が小切手帳に金額を記入して受取人に渡し、受取人は小切手を換金するために、通常は自分の取引金融機関に取立依頼をします。依頼を受けた金融機関は手形交換所を通じて振出人の当座預金から引落しをするのですが、その時に残高が不足していると換金できずに不渡りになる心配があります。預手においては、金融機関がそこに記入された金額を既に別段預金として預かっていますので、不渡りの心配はないということです。」

 
社長
「振込みの場合でも入金確認するまでは安心できないですから。預手は現金と同様に、その場で確認ができて、かつお金を数える手間が省けるということですね。今回は預手を使ってみましょう。」