海外に住んでいる子供に贈与したら
   
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作成日:05/10/2011
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


亀井工場長
「やあ~、黒田さんご苦労様です。監査はもう終わりましたか。」
 

黒田
「はい、今報告を済ませたところです。先ほどリエちゃんから、カナダに住んでいる娘さんに可愛い女の子が生まれたと聞きました。おめでとうございます。」

 
亀井工場長
「有難うございます。」

リエ
「最近の工場長は、お孫さんの話になると目尻が下がりっぱなしですよ。」

亀井工場長
「そうですか。正直初孫ですので嬉しいですよ。孫ができたおかげで、娘と電話での会話も多くなりましたが、お願いごとも多くなり困っていますよ。」
 


リエ
「でも、お孫さんのためなら『困ったな~』と言いながら何でもして上げてしまうのでしょう。」
 
黒田
「そんな感じがしますね。ところで、娘さんはカナダの方とご結婚されているのですか。」

亀井工場長
「はいそうです。結婚してもう5年以上になりますね。私は、英会話ができませんので相手の方とコミュニケーションを取るのが大変です。先日娘から、環境の良い郊外に一戸建ての家を購入して、子育てをしたいと言われましてね。私のできる範囲で資金援助をしてあげるつもりでいます。海外に住んでいる子供に住宅資金を贈与した場合、贈与税の扱いはどのようになるのです。

黒田
「受贈者がどこの国に住んでいても、また国籍がどこの国であろうと日本国内にある財産を贈与された場合は、日本の贈与税が課税されます。基礎控除を超えて贈与した場合は、贈与を受けた人が納税地を定めてその所轄税務署長に申告し納付することになります。」

亀井工場長
「もし、外国に所有している財産を海外に住んでいる子供に贈与した場合にはどうなりますか。」

黒田
「その場合は、それぞれの条件で日本の課税が異なります。国外財産を贈与された際、日本で贈与税が課税されない条件として、

1)

受贈者が日本国籍を有していないことと、日本国内に住所を有していないこと

2)

受贈者が日本国籍を有し、5年を超えて日本国内に住所がなく、かつ、贈与者も5年を超えて日本国内に住所を有していないこと
です。」
 

亀井工場長
「そうなりますと、その条件から外れると国内外の財産を贈与により取得した場合、基礎控除を超える金額に対して贈与税が課税されるのですね。」

 
黒田
「はい、そのようになります。」

リエ
「カナダの贈与税の仕組みはどのようになっているのですか。」

黒田
「勉強不足で詳しいことは分かりません。調べて後で報告します。」

亀井工場長
「良く分かりました。贈与することが決まりましたら、黒田さんにご相談しますので、その時は宜しくお願いします。」