役員や使用人に低い利息で貸し付けた場合の経済的利益
   
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作成日:03/27/2007
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


リエ
「従業員の橋本さんからお母さんの治療費のため借入金を申し出されていて、会社側は貸し付けをするかどうか検討しているようです。」

黒田
「橋本さんって3年前入社した方ですよね。お母さんの病気はかなり重いのですか?」

リエ
「長い間心臓病を患っていて来月手術をすることになり、その費用が足りないと言っていました。」

黒田
「それは大変ですね。安い金利で借りられるといいですね。」

リエ
「従業員に対して貸付利息を付けるのですか?」
 


黒田
「もちろんです。役員や従業員に低い利息または無利息で金銭を貸し付けた場合、その利率が年4.1%以上であれは原則として給与として課税されません。しかし4.1%に満たない利率で貸し付をした場合、4.1%の利率と貸し付けている利率との差額分の利息の金額が給与として課税されます。」
 
リエ
「年4.1%は高くありません?」

黒田
「この利率は平成14年1月1日以後に貸付けを行う場合に適用されています。これから述べるものについては、4.1%にこだわる必要はありません。まず一つ目は、災害や病気などで臨時に多額の生活資金が必要となった役員や使用人に、合理的と認められる金額や返済期間で金銭を貸し付ける場合。二つ目は、会社における借入金の平均調達金利など合理的と認められる貸付利率を定め、この利率によって役員や使用人に対して金銭を貸し付ける場合。三つ目は、4.1%の利率と貸し付けている利率との差額分の利息の金額が1年間で5000円以下である場合です。」

リエ
「そうする橋本さんの場合は、一つ目に該当するのかしら?」

黒田
「そうなると思います。
ただし、会社などが貸付けの資金を銀行などから借り入れている場合には、その借入利率を基準として計算します。」
 

リエ
「では、会社が2.5%の利率で借り入れて、役員や従業員に1.5%の利率で貸し付けた場合、4.1%との差額ではなく、2.5%と1.5%との差である1%分の利息の金額が給与として課税されるのですか?」

 
黒田
「そのとおりです。個人で借入れをすることができないので、会社が代わりに借り入れてあげるのですから同額の利率でないといけません。早く借入ができるといいですね。そしてお母さんの手術が成功することを願いますね。」

リエ
「本当にそうですね。」