電子手形ってどういうもの?
   
カテゴリ:経理事務
作成日:03/09/2010
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 信用金庫の南条支店長が来て、電子手形の説明をしています。

リエ
「手形の決済は以前と比べればだいぶ減ってきて、その分管理が楽になったのですが、売掛金だけだと決済の確実性という点では弱いように思いますし、それに売掛金では、手形にあった割引とか譲渡という便利な機能がなくて、資金調達の面では不便になっているように思うのですが、どうでしょう。」
 

南条支店長
「そうですね。金融機関も新規の当座預金の開設は制限していますので、手形決済は年々減っています。それは、手形管理のコストが高く、また手形に関わるトラブルも多いということで制限してきたわけですが、しかし、今後は従来の紙の手形の問題点を解決する新たな決済手段として電子手形が始まったので、それが増えていくと思います。」

 
リエ
「電子手形ってどういうものですか?」

南条支店長
「電子手形は、債権の内容を紙ではなく電子的記録によって管理して決済する仕組みのことです。そのため、2008年12月に電子記録債権法が施行されました。この法律の中で、売掛金や従来の手形とも異なる新しい型の金銭債権として”電子記録債権”の発生・譲渡を定めており、さらに電子記録債権の記録業務を行う電子債権記録機関について規定しています。」

リエ
「電子手形では、従来の手形にあった割引とか譲渡の機能があるのですか?」
 
南条支店長
「電子手形は、1000円以上1円単位で分割して割引することも譲渡(従来の裏書)もできます。一部を割引して資金調達に使い、一部を譲渡して資金決済にあてるなど機動的に使えます。」
 


リエ
「紙ではないので印紙税は不要ですよね。それに保管管理、配達のコストもかからないので経費削減になって、さらに紙の手形より、割引・譲渡の機能が柔軟に使えるとなるとメリットは大きいですね。」
 
南条支店長
「そのほかにも、債権が電子債権記録機関の電子記録になっているので、盗難のリスクもなく、金融機関に出向いて取立て依頼することもありません。ただ、課題としては、支払企業でのパソコンのスキル、セキュリティなどが必要になります。」

リエ
「その点は、インターネットバンキングと同じですね。中小企業にとっては大きな課題だと思います。当社で導入することになったら是非ご指導お願いします。」