エコカー減税を利用して「会社のクルマ」を安く買う
   
作成日:01/21/2010
提供元:月刊 経理WOMAN
  


環境対策と経費削減の一石二鳥!?
エコカー減税を利用して「会社のクルマ」を安く買う法伝授します




 環境問題に注目が集まっていますが、企業の社会的責任としても環境重視の姿勢を示すことは重要です。そこでいま検討してみたいのが、エコカー減税を利用して「会社のクルマ」を買い換えること。実際、自動車の販売市場では社用車など法人需要におけるエコ志向が強まっているといいます。環境対策と経費削減の一石二鳥となる社有車の買換えを、あなたの会社でも検討してみてはいかがでしょう。

 「今、車がお買いどき」。こんなキャッチコピーのテレビコマーシャルを最近、目にする機会が増えました。実際、今、環境に優しいエコカーがとても安くなっています。

 たとえば、トヨタ自動車が発売している、1000万円程度のハイブリッド車「レクサスLS600h」。レクサス・シリーズは企業の役員車としても人気の高い車ですが、LS600hは最大で80万円程度安く買えるようになっているのです。

 その理由は、政府が2009年度から期限付きで導入している「エコカー減税」と「エコカー補助金」の二つの制度。落ち込んだ景気を刺激するため、税金を投入して、車を買うときの価格を実質的に値引きしようと導入された政策です。

 最近、鳩山政権が二酸化炭素(CO2)の25%削減を打ち出すなどし、企業も環境対策に向けた厳しい努力をますます求められる時代になってきました。環境重視の姿勢をアピールするためにも、上手に制度を使いこなして、賢く“エコな社有車”を購入したいものです。


◆減税には「3通り」のパターンがある

 まずは、制度の仕組みからご説明しましょう。「エコカー減税」は、2009年4月から、3年間の限定で始まった制度です。ガソリンの消費が少なく、CO2の排出が少ない車を購入するなら、購入時にかかる税金(自動車取得税と自動車重量税)を安くしてくれます。どれくらい税金が安くなるかの減税率は、それぞれの車の環境性能が、国の定める基準をどのくらいのレベルで満たしているかによって変わってきます。具体的には「100%」「75%」「50%」の3通りあります。

 100%減税される、つまり自動車取得税と自動車重量税がまったくかからない車には、ガソリンエンジンと電気モーターの二つをパワーの源として走る「ハイブリッド車」、ガソリンエンジンを使わず電気モーターだけで走る「電気自動車」などがあります。いずれも、最先端の環境技術を備えた究極のエコカーといえます。

 ハイブリッド車は、電気で動くモーターが車の走行を助けるため、そんなにガソリンエンジンに頼らなくてもすみます。ガソリンを燃やす頻度が少なくなるためCO2の発生が少なくてすむ上に、ガソリン代がかからないため、ランニングコスト上も経済的であるというわけです。



 最近ではハイブリッド車の数も増えており、車の販売回復を引っ張っているのは、ハイブリッド車だと言っても過言ではありません。

 代表的なハイブリッド車は、安いほうでは、トヨタの「プリウス」(価格205万円〜)、ホンダの「インサイト」(189万円〜)など。もっと上の価格では、トヨタの「レクサスHS250h」(395万円〜)「クラウンハイブリッド」(595万円〜)などがあります。

 高級車では、「レクサスGS450h」(697万円〜)「レクサスLS600h」(1000万円〜)など。こうして見ると、ほとんどがトヨタの車だということが分かります。


◆電気自動車の購入は現実的ではない

 次の電気自動車は、ガソリンエンジンをもともと積んでおらず、電気エネルギーだけで動く“夢のエコカー”です。当然、ガソリンをスタンドで給油する必要はなく、家の電気コンセントや、急速充電器という特殊な装置で充電することができます。

 ある自動車メーカーのマーケティング調査によると、電気自動車はガソリンと違って汚いイメージがないため、女性から「乗ってみたい」という声が多いそうです。

 電気自動車は今年、三菱自動車が「アイ・ミーブ」、富士重工業が「プラグイン ステラ」という、いずれも軽自動車をベースに作った車を発売しました。2010年には、日産自動車が「リーフ」という小型車ベースの電気自動車を発売する予定です。

 ただ、今の時点で、電気自動車を購入するという選択肢は現実的ではありません。というのも、市場に出回っている電気自動車はまだまだ少なく、価格も400万円以上、電気自動車向けの補助金を使って購入しても300万円以上と、やたらに高いからです。

 今の段階では、「アイ・ミーブ」「プラグイン ステラ」の二つを合わせて日本で1500台程度が売られていますが、これらはすべて、官公庁や東京電力、中部電力などの電力会社、コンビニエンスストアチェーンなど、両社と関係が深い法人への納入です。三菱自動車や日産は来年度から本格的に市販する予定ですが、価格はそんなに下がらないとみられています。

 しかも、1回充電しても最大で160キロ程度しか走れず、ドライブ先で電気切れになったときに給電できる充電スタンドも少ないため、安心して走れる車だとは到底いえません。車の価格が下がり、充電スタンドの整備が進んだり、電気自動車そのものの性能が高くなったりするまで、あと数年は様子をみた方がよさそうです。



 次に「75%」「50%」の減税車については、基本的にすべてガソリン車です。自動車メーカーが車の改良を進めてきたこともあって、この二つの減税率を満たす車は無数にあります。

 少しだけ例を挙げると、75%減税対象はトヨタの「ヴェルファイア」「アルファード」、ホンダの「オデッセイ」、三菱自動車の「デリカD:5」、富士重工業の「エクシーガ」など。50%減税対象はトヨタの「エスティマ」「マークX」、三菱自動車の「アウトランダー」、富士重工業の「レガシィ アウトバック」などです。

 ただ、同じ車の中でも、減税となるモデルとならないモデルがあったりして複雑なので、実際に自動車メーカーのホームページで確かめたり、販売店に問い合わせたりしたほうがいいでしょう。

 また、外国車は環境性能が日本の基準を満たさず、ほとんどがエコカー減税の対象になっていないので要注意。役員車の購入を検討する際も、除外して考えたほうが無難です。


◆エコカー補助金の期間は3年?

 一方、エコカー減税と合わせて行なわれている、「エコカー補助金」についても説明を加えておきましょう。簡単にいえば、一定の基準を満たしたエコカーを新たに買う場合、国が購入者に対して補助金を出してくれるという制度です。エコカー減税の対象車は、基本的に補助金の対象にもなっていると考えていいでしょう。

 補助には2通りあり、一つは、購入してから13年を超えた古い車を廃車にし、新車のエコカーに買い替えるユーザーに対して補助金を出すもの。新車が普通車や小型車なら一律25万円、軽自動車なら一律12万5000円の補助が出ます。

 もう一つは、古い車の廃車を伴わず、まったく初めて新車のエコカーを買う場合や、廃車する古い車が13年たっていない場合。こちらは普通車や小型車で10万円、軽自動車で5万円の補助金が出ます。

 エコカー減税は、車を買うときに“勝手”に金額が引かれるので楽ですが、補助金の場合は、車を買った人が販売店などで申請しなければならないので、少々面倒です。申請後、一定の審査に通れば、申請者の金融機関の口座に後日、補助金が振り込まれるシステムになっています。



 最大の注意点は、エコカー減税の期間は3年ですが、補助金は2010年の3月31日で終わりだという点です。

 民主党政権は最近、2010年9月までエコカー補助金を延長する方針を閣議決定しました。しかし、国の予算がからむ問題なので、政治情勢で事情が変わる可能性もあります。

 これを書いている12月下旬時点では、まだまだ状況は流動的。ニュースをまめにチェックし、最適なタイミングを逃さないよう注意することが大切です。


◆クラウンなら43万円offに

 では、実際の車がどれくらい安くなるのか、例を挙げてみてみましょう。ここでは、1)13年超の古い車の廃車を伴うケースと、2)伴わないケースに分けてみてみます。

 まずは、100%減税になるハイブリッド車。トヨタの「レクサスLS600h」のバージョンS(1110万円)は、1)の場合で82万200円、2)の場合で67万200円。クラウンハイブリッドのスタンダードパッケージ(595万円)は1)で58万600円、2)で43万600円安くなります。

 もっと安い車では、ハイブリッド車で一番人気の「プリウス」。あまりの人気で、いま契約しても納期は2010年の5月か6月になるため、補助金の適用が間に合うかは微妙です。補助金が受けられなければ、Sグレード(220万円)の場合だと、減税分の15万900円のみ安くなります。さらなる値引きのため、補助金の継続実現を民主党政権に望みたいところです。

 ホンダの「インサイト」のGグレード(180万9000円)は補助金も受けられ、1)だと38万7700円、2)だと23万7700円安くなります。

 次に、75%減税の車です。トヨタの「ヴェルファイア」2・4V7人乗り(360万円)だと、1)で42万2400円、2)で27万2400円。三菱自動車の「デリカD:5」のGプレミアム(353万8500円)は1)で42万440円、2)で27万440円。ホンダの「オデッセイ」のMエアロパッケージで39万6300円、2)で24万6300円安くなります。



 50%減税の車は、富士重工業の「レガシィ アウトバック」の2・5iLパッケージ(294万円)が、1)が35万800円、2)が20万800円。トヨタのマークXの250G“リラックスセレクション”(269万円)が、1)で34万5400円、2)が19万5400円の値引きになります。

 このほか、軽自動車の中に、エコカー減税の対象にはならないけれど、補助金の対象となる車もあります。ダイハツ工業やスズキが軽自動車をたくさん出していますが、ホームページなどで確かめてみるといいでしょう。

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 今、地球温暖化の問題は、地球全体で取り組む緊急の課題になっており、鳩山政権は、日本のCO2を1990年比で25%削減するという高い目標を掲げています。日本の企業も、環境に向けた努力を加速させなければならない時代です。

 そもそも企業として、環境問題を社会的責任としてきっちり果たす姿勢をみせなければ、お客さまや取引先から信用を得られなくもなってきています。その点、お客さまや取引先、同業者の目に触れる機会が多い役員車や営業車は、環境姿勢をアピールするのに適したツールではないでしょうか。

 そういった意識も広がり始めているようで、自動車販売店のセールスマンによると、会社の重役クラスに営業をかけ、高級車を売り込もうとしたときによく言われるようになったのが、「ハイブリッド車はないのか」という一言だそうです。このセールスマンによると、「おそらく企業経営者の意識が変わり、『環境に優しい車』が、企業のステータスの一つになってきているのではないか」とのことでした。

 40万円も50万円も値引きされる機会など、自動車販売の長い歴史の中でもめったにないことです。まさに「車は今がお買いどき」。せっかく巡り合ったチャンスですから、十分に活用することを考えましょう。


〔月刊 経理WOMAN〕