「商品券・プリペイドカード等」にまつわる税務処理Q&A
   
作成日:03/24/2004
提供元:月刊 経理WOMAN
  


この際、基本をきちんと押さえておこう!
「商品券・プリペイドカード等」にまつわる税務処理Q&A




 取引先から商品券をもらったときはどう処理すればいいの? そのときの消費税の取扱いは? など経理初級者は疑問に思う点が少なくありません。
 そこで、商品券や図書券、プリペイドカード等に関する税務処理の基本と注意点を、実務面から分かりやすく解説します。

Q1
 取引先から商品券をもらったときは、どう処理すればいいの?
A1
 経理処理は、(借方)商品券(貸方)雑収入という仕訳が基本となります。
 ただし、会社の取引規模と、もらった商品券の金額が小さければ、便宜上(借方)現金(貸方)雑収入で処理をしても差し支えないでしょう。
 商品券は、現金とほぼ同じ性格があるため、現金出納帳に記載し、他の現金と一緒に管理することをお勧めします。なお、この仕訳の雑収入についての消費税の取扱いは、不課税となります。また、法人税法上は益金となります。

Q2
 買い物をしてポイントカードのポイントが貯まり、1000円分の商品券をもらいました。その商品券を使って1200円分の消耗品を買った場合の仕訳はどうなりますか?
A2
 このケースの仕訳は、図1のとおりです(税込入力・税抜処理を前提)。
 商品券を利用して買い物をした場合、1000円の商品券と200円の現金を払ったわけですから、借方が消耗品費1200円となります。
 消費税処理については、商品券をもらったときは、雑収入勘定は不課税です。商品券で買い物をしたこの場合は、消耗品費が課税仕入となります。商品券は、非課税となります。


Q3
 金券ショップで購入した商品券(2%オフ)で、3万円相当の備品を購入しました。どのように処理をしたらよいでしょうか?
A3
 このケースでは、図2のように仕訳をします。
 商品券を購入した場合、金券ショップでレシートをもらいます。そのレシートをもとに購入時の仕訳を行ない、備品購入時は、通常の買い物と同様に処理します。
 金券ショップでは、商品券だけでなく、切手・印紙・商品券・きっぷ・クーポン券等々、さまざまな金券を販売しています。金券ショップでこれら金券を購入した場合、購入時に支払った金額で処理し、金券利用の際に(本ケースのような商品の購入等の取引)、金券額面との差額を雑収入勘定で正しく処理するべきです。
 しかし、実務上よく見受けられるのは、備品等購入時のレシート・領収証の金額で経費処理を行ない、金券購入に伴なう雑収入額相当の現金が簿外となってしまう処理です。内部牽制の徹底の意味からも正しく処理をしてください。


Q4
 営業担当者に地下鉄・私鉄代として、パスネット(SFカード)を渡しています。購入したときの勘定科目は、旅費交通費でよいでしょうか?
A4
 はい、正しい処理です。パスネットに限らず、このようなプリペイドカードを正規販売先で購入し利用する場合、その購入時に経費処理をしても差し支えありません。
 ただ、決算の時点で未利用のプリペイドカードが相当額社内に残っているようでしたら、期中で経費処理した科目を決算整理する必要があります。仮に、このケースで決算直前に次の月に渡す予定のパスネットを購入した場合は、決算整理時に、(借方)貯蔵品(貸方)旅費交通費という決算整理仕訳を切る必要が出てくる場合があります。なお、少額でしたらこのような処理を、実務上行なう必要はありません。
 また、切手・印紙等、先払い的な性格を有するものについても本設例と同様の処理となります。

Q5
 創業20周年を記念して、期末に社員に図書券を配る予定です。社員の給与所得とみなされてしまいますか?
A5
 原則的に給与所得となります。
 商品券・図書券のような換金性の高い金券類を配布する場合は、給与として処理するのが妥当です。
 また、記念品(物)を配布する場合は、次の要件を満たす場合、福利厚生費として処理をしても差し支えありません。
1)社会通念上記念品としてふさわしい物で、処分見込額により評価した金額が1万円以下のものであること
2)創業後相当な期間(おおむね5年以上)ごとに支給するものであること
 もし、社員各人への配布物の処分見込額が1万円を超えるようでしたら、
現物給与として、源泉所得税の対象となります。

Q6
 商品券に消費税はかかりますか?
A6
 かかりません。商品券・ビール券等これら金券類の交換は非課税取引となります。
 基本的な質問ですが、消費税についてとても大事な部分ですので少し詳しく説明しましょう。
 消費税の課税・非課税を考えるとき、もらった側と払った側は、課税処理によって生じた消費税額が同額になります(輸入業を除く)。たとえば、消耗品を買った側と売った側を考えてみましょう。1050円の商品の取引の場合、分かりやすいように税抜処理で考えてみます。
 図3の仕訳を見ていただくと分かるように、仮受消費税と仮払消費税額は、必ず一致します。実務で消費税処理に迷ったときは、買った側なら、売った側の消費税処理を考えると分かってきますし、また消費税区分を一覧表等で調べる場合、当該取引が記載されていないときでも同様に相手側の取引を調べると課税区分が分かります。相手側が課税売上取引ならこちらは課税仕入取引となり、こちらが課税仕入取引であれば相手側は課税売上取引になり、消費税額も同額になります。非課税の場合は、どちらも非課税になります。


Q7
 開店記念にサービス券(1000円値引)をお客様に配布しました。後日、このサービス券でお客様が3000円の商品を買われたときは、どのように処理をしたらよいのでしょうか?
 この場合の会計処理は、図4のとおりとなります。
 販売促進を目的としたこのようなサービス券は、小売業の実務処理でよく出てきます。サービス券配布時は、仕訳が生じませんが、そのサービス券が実際に商品販売時に生じた場合、受け取ったサービス券額は、値引扱いとします。実際の経理処理では、純額で売上2000円と処理しているケースが多く見受けられますが、サービス券による値引は、売上値引勘定で処理し、経営者の判断に役立つ試算表・決算書を作成することをお勧めします。


Q8
 商品券・プリペイドカード等にまつわる会計・税務処理の注意点を教えてください。
A8
 会計上の注意点は、簿外資産にならないように、もらったとき、買ったときに適切に処理をし、現金出納帳等の帳簿や試算表に現われる形で処理することが重要です。
 また、税務上の処理の注意点は、とくに消費税処理を間違えないことが重要です。Q6で説明したように、相手側の処理を考え、適切に処理をすることがミスをなくすポイントです。

〔月刊 経理WOMAN〕