スイカで仮払金の精算?
   
カテゴリ:経理事務
作成日:04/24/2007
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 今日は、交通費の精算日です。旭課長とリエちゃんは役員や同僚の交通費の精算のために精算伝票の整理やお金の準備で大忙し!
 


リエ
「課長、毎週のことなので何か良い精算方法はないかといつも考えていたんですが、スイカやパスモを利用して精算処理を簡素化できないものでしょうか。」
 
旭課長
「そうだな。もし何の問題もなければ会社・従業員双方にとって処理の簡素化が図れていいんだけどね。でもそのカードは電車やバス利用だけでなくお買い物もできてしまうんだよね。」

リエ
「それが何か問題となりますか。このカードだったら皆は電車などの交通費の精算に利用するでしょう。これで私的にコンビニ利用なんてしませんよ。」

旭課長
「もちろん私だって皆を疑ったりはしないさ。でも使えてしまうということは何のために利用したかを経理として把握する必要があるよね。」

リエ
「疑わないのに把握する必要があるって何でしょう。う~、そうだ消費税ですね。」

旭課長
「その通り。以前話したクレジットカードの件を思い出してくれたようだね。」

リエ
「ええ、カード支払いの経費は、決済をしたときの利用明細表や領収書等を保存しておかないと購入品目などの詳細が分からないので仕入税額の摘要要件を満たさないことになるんでしたね。それに課税仕入、非課税それとも課税対象外なのかの区別もつきませんよね。」

旭課長
「それとカードへチャージした額によっては、決算時にその残高を確認することも必要だね。」

リエ
「棚卸ですね。その残高は仮払金、預け金などとしての処理が必要になりそうですね。チャージした時に旅費交通費の処理ができればいいのにね。毎回の入金額を最小単位にしていれば残額が僅少であるということでその処理が認められるのではないですか。」
 

旭課長
「でも、入金にしても利用内容にしても確認の方法がないよね。この先、カードが進化してそれらの利用明細を詳細に印刷できるようになれば交通費精算にとどまらずいろいろなことの支払いに使っていけるようになるかもしれないけどね。パスモやスイカにそんな機能があるのかな。」

 
リエ
「別の問題点も発見。もしスイカを紛失した際に雑損失処理をしようにも、その金額が不明で正しい経理処理ができなくなってしまいます。いくらが課税・不課税なのかなどの判断ができません。」

旭課長
「それとスイカ申し込みの際に徴収される保証金は、当然のこと預け金などの資産に計上することになるから利用枚数などの管理に注意しないと経理処理上の不備が生じそうだね。」

リエ
「カードの機能がもっと進化してくれないと簡単に利用はできそうにありませんね。交通機関を問わず利用できて便利なカードと思ったのに残念。」

旭課長
「残念だけどその通り。テレホンカードのような交通機関専用の共通カードであればいいのかもしれないけどね。」

リエ
「最近は、パソコンにカードの読み取り機能のついたものが販売されていますから、そうした機能を持ったICカードが作られるのも間近かもしれませんね。そうすれば社員の立替金精算が簡単になりそうですね。」