難しいICカードでの旅費交通費の精算
   
カテゴリ:経理事務
作成日:09/08/2009
提供元:アサヒ・ビジネスセンター
  


 所用で寄った黒田さんにリエちゃんが何か質問があるようです。

リエ
「黒田さん、旅費交通費のことで相談があるんですが、お時間いいですか。」

黒田
「リエちゃん、旅費交通費の規定でも変わるのですか。」

リエ
「実は営業担当者から電車やバスを利用した場合の旅費交通費の精算方法について改善提案があったんです。」

黒田
「どんな提案内容ですか。」

リエ
「当社では利用区間を基にした実費精算を現在行っているのは黒田さんもご承知だと思います。」

黒田
「ええ、私の事務所でも同じ精算方法ですから。」
 


リエ
「今回の提案内容は交通会社系のICカードにチャージした領収書で精算ができるように、簡略化できないかということなんです。」
 
黒田
「でうですね。最近はICカードがかなり普及していますからね。」

リエ
「旭課長とも相談したんですが、領収書があるなら良いのかなという具合になっているんですが。何か注意点はないかと思いまして。」

黒田
「ICカードにチャージした時の領収書での精算についてですが、基本的にはお止めになった方がいいと思います。それはですね、当初交通系のICカードは交通機関の利用にしか使い道がなかったのですが、最近普及した大きな原因は交通機関以外に買い物に利用できるようになったからです。従って、チャージを行った時点ではチャージしたお金の使い道がはっきりしないからです。」

リエ
「ほかに方法はないでしょうか。」

黒田
「ショッピング機能を除いて交通機関でしか使用できない状態のICカードを作成するのはいかがでしょうか。この場合その目的が限定されますから、今回の提案内容に合致するのではないでしょうか。ただし、これでも問題点はあります。」

リエ
「どんなことですか。」
 

黒田
「ICカードへのチャージはあくまでも現金の前渡しに過ぎないことです。これは使用しない限りは経費と言えないでしょう。ですから決算期末においてはその残高には注意する必要があります。使用していない残高については旅費交通費を減額させる必要も出てくる可能性がありますね。」

 
リエ
「そうですか。早速管理方法を旭課長と相談してみます。」

黒田
「ICカードもお財布と一緒ですから管理に注意してくださいね。」