レポート 〜成功する会計事務所のセオリー

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「伝える」と「伝わる」の違い

(16/05/31)
〜ある事務所での会話から〜
A部長:すみません・・・。明日から徹底させます。
 毎日、職員全員が提出するはずの業務日報。ここ数日、未提出が多いなぁと思い、税務1部門のA部長へ問いかけてみた際の返答です。
A部長:なぜ、書いてくれないんでしょうかねぇ?
    あれだけ毎日書くように言っているのに・・・。
 愚痴めいた言葉を発するA部長へ、所長は笑いながら答えました。
所長:伝えるだけで部下が動くなら、上司は要らないよ。
 コミュニケーションの本質は“何を伝えたか?”ではなく、“何が伝わったか?”にあります。
 それを踏まえると、「こんなに伝えているのに、やらない部下が悪い」 というA部長の話はおかしな言い分。
   
 まずは、“まったく伝わっていない”自分のコミュニケーション能力を恥じる必要があります。
 そもそも「伝えたら人は動く」と思うこと自体が大間違いです。
 規則だから、決まったことだから、と押し付けられた“べき論”で、行動が長続きすることはありません。
 上司の重要な役割は、部下が自分の意思で行動を『選択する』状態をつくり出すこと。
 部下が「やりたい」と決意できるように促してあげることが大切です。そのためには、単なる伝達だけではなく、“話し合い”や“共感づくり”といった取り組みが不可欠です。
「全員が日報を書くと、どんないいことがあるのだろう?」
「誰かが書いていないと、きちんと書いている人はどう感じる?」
「そもそも、日報って誰のために、何のために書くのだと思う?」
 ただ「日報を書こう」の一言で済ますのではなく、部下と真剣に話し合ってみてはいかがでしょうか。
 その過程で、新鮮な発見があるかもしれません。
 最後までお読みいただき、ありがとうございました!