レポート 〜成功する会計事務所のセオリー
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初頭効果と親近効果
(13/10/01)

 今回は心理学の「初頭効果」と「親近効果」をテーマにお伝えします。

 「初頭効果」は「最初の情報ほど記憶(印象)に残りやすくなる」というもので、「親近効果」は初頭効果とは逆に、「最後の情報が記憶に残りやすくなる」というものです。

 皆様にも経験があるかもしれませんが、相手に良い第一印象を持つと、その後の些細な間違いはあまり気にならなくなり、相手が話す言葉の一つ一つに説得力が感じられるようになります(初頭効果)。また、帰り際に丁寧に挨拶され、建物の外まできちんと送り届けていただくと、その姿が強く印象に残ることがあります(親近効果)。

 そして、実際にこの効果を意識して取り組んでいる会計事務所があります。

 会計事務所が顧問先と最初に接触するのは、電話と受付(事務所入口)です。この事務所では、電話に出る職員や受付の担当者に、応対についての専門のトレーニングをするようにしています。また、事務所入口部分(電話・受付)を専門のトレーニングを受けた、対人スキルの高い人員が担うことで、最初に良い印象を与えることに成功しています。

 では、この「初頭効果」はどのような結果を生み出しているのでしょうか。

 例えば、まだ顧問先でないお客様から電話で問合せがあった場合、電話対応をレベルアップすると、その後に繋がる確率が高まります。また、受付での対応をレベルアップすると、商談での成約確率を高まったり、クレームの減少にも繋がるでしょう。

 以上は「初頭効果」についてのお話しですが、心理学者メーヨーによると「初頭効果」は人間観察力が鋭い人に現れやすく、「親近効果」は人間観察力があまり高くない人にも現れやすいそうです。

 “はじめ(入口部分)”と“最後(出口部分)”で、会計事務所としてどのような印象を残すか、少し考えてみると良いかもしれません。