厚労省、重点監督実施した約4割の事業場で違法残業を摘発
   
カテゴリ:労務
作成日:03/15/2017
提供元:21C・TFフォーラム
  


 厚生労働省が、昨年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果によると、重点監督を実施した7014事業場のうち、労働基準関係法令違反があったのは全体の67.2%に当たる4711事業場だった。主な違反内容は、「違法な時間外労働」が39.5%と約4割の2773事業場 、「賃金不払残業」が6.5%の459事業場、「過重労働による健康障害防止措置が未実施」が10.4%の728事業場だった。

 重点監督実施事業場のうち5269事業場に対して、長時間労働を行った労働者に対し、医師による面接指導等を実施することなどの過重労働による健康障害防止措置を講じるよう指導。指導事項としては、「時間外・休日労働時間を月80時間以内へ削減」が3299事業場(構成比62.6%)で最も多く、次いで「時間外・休日労働時間を45時間以内へ削減」が1953事業場(同37.1%)で続いた。

 重点監督実施事業場のうち889事業場に対して、労働時間の管理が不適正なため、労働時間を適正に把握することなどを指導。また、違法な時間外労働があった2773事業場で、時間外・休日労働が最長の者を確認したところ、63.3%の事業場で1ヵ月80時間を、うち34.6%の事業場で同100時間を、うち0.9%の事業場で同150時間を、うち0.2%の事業場で同200時間を、それぞれ超えていることが明らかになった。

 監督指導事例をみると、コンビニチェーン店A社では、18歳未満のアルバイト(年少者)について、時間外・休日労働が原則禁止されているにもかかわらず、月79時間の違法な時間外・休日労働を行わせ、かつ、休日労働に対する割増賃金を支払わなかった。また、アルバイトを含む10名の労働者について、36協定の締結・届出がないにもかかわらず、違法な時間外労働を行わせた事業場に対し指導を実施した。

 なお、監督を実施した7014事業場において、労働時間の管理方法を確認したところ、10.2%の事業場が「使用者が自ら現認」により、34.1%の事業場が「タイムカードを基礎」に、19.4%の事業場が「ICカード、IDカードを基礎」に、36.1%の事業場が「自己申告制」により、22.3%の事業場が「その他の方法(例えば、出勤簿)」により、それぞれ始業・終業時刻を確認し記録していた。

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