社会保険の適用拡大に関する経過措置を設定~厚労省
   
カテゴリ:労務
作成日:10/03/2016
提供元:21C・TFフォーラム
  


 厚生労働省は、10月1日からの社会保険の適用拡大(従業員501人以上の企業で週20時間以上働く人等が対象)の施行に当たり、年金の在職支給停止に関する経過措置を設けている。現在、特別支給の老齢厚生年金の受給者のうち、長期加入者等が被保険者となった場合には定額部分が全額支給停止となるが、同じ事業所で引き続き働いている人が10月から新たに被保険者になったなどの場合、この支給停止を行わないこととしている。

 経過措置の対象者は、平成28年9月30日以前より障害者・長期加入特例に該当している年金受給者、かつ、平成28年9月30日以前より同じ事業所に勤務しており適用拡大によって短時間労働者として資格取得した人。平成28年10月1日に同じく厚生年金保険に加入した人でも、平成28年9月30日以前に同じ事業所で勤務していなかった場合は対象外となる。

 障害者・長期加入特例とは、60歳から65歳までの老齢厚生年金については生年月日に応じて、受給開始年齢が引き上げられるが、障害者や長期加入者には、特例として、障害の状態(障害厚生年金の1級から3級に該当する障害の程度)にあること、厚生年金保険の被保険者期間が44年以上あること、のいずれかに該当する場合は、報酬比例部分と定額部分を合わせた特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができる。

 なお、10月1日に短時間労働者として加入した受給者が、平成28年9月30日以前より同じ事業所に継続していた事実については、日本年金機構において把握できないため、本人から届書を提出する必要がある。届書(「障害者・長期加入者特例に係る老齢厚生年金在職支給停止一部解除届」)の提出により、経過措置の対象者を把握して年金を止めないこととしているわけだ。

 届書を提出するに当たっては、1)平成28年9月30日以前から引き続き勤務していることを明らかにすることができる書類(平成28年9月以前の勤務が確認できる給与明細書や雇用契約書)、2)平成28年9月30日以前から引き続き勤務していることについての事業主の証明書(届書の事業主証明欄による証明も可)、のいずれかの書類を添えて、近くの年金事務所に提出する。

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