銀行114行の16年9月中間決算、預貸率は67.34%
   
カテゴリ:金融
作成日:02/15/2017
提供元:21C・TFフォーラム
  


 東京商工リサーチがこのほど発表した「2016年9月中間決算、単独決算ベース銀行114行預貸率調査」結果によると、銀行114行の2016年9月中間単独決算ベースの預貸率は、67.34%(前年同期67.98%)で前年同期を0.64ポイント下回った。2011年以降の9月中間決算での預貸率は、11年が68.54%、12年68.35%、13年67.99%、14年67.90%と推移し、15年は67.98%と上昇した。

 しかし、2016年はマイナス金利の導入で注目されていたが、調査を開始した2011年以降で最大の落ち込み幅になった。これは、銀行114行の2016年9月中間決算の総預金残高(譲渡性預金を含む)が753兆6364億2100万円(前年同期比1.8%増)だったのに対し、総貸出金残高は507兆5135億8500万円(同0.9%増)にとどまり、総預金残高の伸びに対し、総貸出金が伸び悩んだことが影響した。

 2016年9月中間決算の「預貸ギャップ」(預金+譲渡性預金-貸出金)は、246兆1228億3600万円に膨らみ、預金の貸出金に対する大幅超過が続いている。「預貸ギャップ」の拡大は、マイナス金利の導入後も銀行貸出が伸び悩んでいることを意味する。なかでも企業の資金需要は先行きの不透明さから低迷し、銀行貸出は不動産業や医療・福祉、地公体向けの伸びだけが目立つ。

 114行のうち、前年同期より預貸率が上昇したのは81行(構成比71.0%、前年同期71行)で、前年同期より10行増えて全体の7割を占めた。比率上昇では、トップが「西京銀行」の7.55ポイント上昇(74.73→82.28%)。次いで、「東邦銀行」6.84ポイント上昇(51.35→58.19%)、「福島銀行」5.15ポイント上昇(64.18→69.33%)の順だった。

 業態別の預貸率をみると、地銀64行が72.80%(前年同期比1.44ポイント上昇)、第二地銀41行が74.40%(同1.16ポイント上昇)だった。これに対し、大手銀行9行は62.93%(同2.18ポイント低下)と前年同期を下回った。地銀64行のうち預貸率が前年同期より上昇したのは49行(構成比76.5%)、低下が15行(同23.4%)で、預貸率の上昇行が約8割にのぼった。

 第二地銀41行では、上昇が28行(構成比68.2%)、低下が13行(同31.7%)で、第二地銀も預貸率の上昇行が約7割を占めた。一方で、大手銀行9行は上昇が4行、低下が5行で預貸率の低下行が過半数を占めた。大手銀行の2016年9月中間決算での総貸出金は前年同期より1.5%減少し、貸出金を増やした地銀(3.9%増)、第二地銀(3.3%増)と比べて対照的な動きをみせた。

 同調査結果はこちら