2割強にとどまる中小企業のフィンテックの認識度
   
カテゴリ:金融
作成日:10/06/2016
提供元:21C・TFフォーラム
  


 信金中央金庫が中小企業景気動向調査の中で実施した「金融サービスにおけるIT利活用と中小企業に関する特別調査」結果(有効回答数1万4485社)によると、金融取引のIT化に伴う変化については、肯定的意見が50.7%と、否定的意見の14.3%を大きく上回った。肯定的意見の内訳では、「決済や入出金の利便性が向上する」が37.4%と、「決済や入出金がより煩雑化する」の3.4%を大きく上回っている。

 金融取引とITの融合(フィンテック)の認知度については、「内容は認識しており、すでに利用している」が3.8%、「内容は認識しているが、利用していない」が19.6%と、合わせて2割強の企業がフィンテックについて認識している。一方、「言葉だけ聞いたことがある」が38.9%、「知らない、聞いたことはない」が37.8%と、小規模企業を中心とした8割弱の企業では、フィンテックについてまだ十分に知られていない。

 フィンテックの事業上での利用意向は、「利用したい」が5.5%、「どちらかといえば利用したい」が13.5%と、合わせて2割弱の企業で利用意向がある。認識度が低いこともあり、半数以上が「わからない」(55.1%)と回答。事業上で利用(したい)しているサービスは、「経営・業務支援系サービス(事務処理など)」が23.6%と最多、「スマホ決済・送金」(17.9%)、「クラウド会計サービス」(15.8%)が続いた。

 社長や家族が個人として利用(したい)しているサービスでは、「スマホ決済・送金」が33.8%と、他の選択肢を圧倒した。また、事業上での利用と異なり、企業規模による大きな差はみられなかった。以下、「家計簿サービス」が6.8%、「オンライン融資」が4.5%、「オンライン投資/ロボアドバイザー」が3.8%、「クラウドファンディング」が3.1%と続いた。一方、「利用したくない」は54.8%と、全体の半数以上を占めた。

 事業上でフィンテックを提案してきた金融機関の種類については、「信用金庫」が11.0%で最多、「地銀・第二地銀」(6.5%)、「メガバンク」(4.5%)と続いた。調査対象が信用金庫取引先であることもあり、信用金庫が最も多い回答を集めた。金融機関から提案されたサービスについては、「スマホ決済・送金」が9.6%で最多、以下「クラウドファンディング」(2.8%)、「クラウド会計サービス」(2.7%)が続いた。

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