７～８割の事業者が消費税を「全て転嫁」と回答
　　　
カテゴリ:労務
作成日：06/01/2016
提供元：２１Ｃ・ＴＦフォーラム
　　

　経済産業省はこのほど、消費税の転嫁状況に関する月次モニタリング調査（４月調査）の調査結果を公表した。同省では、平成２６年４月の消費税率引上げを踏まえ、転嫁状況を定期的にモニタリングするため、同年４月から転嫁状況に関する事業者へのアンケート調査を実施しており、現在まで引き続き、監視・取締りを強化し、転嫁拒否の未然防止、違反行為への指導など迅速な是正を行っている。

　４月調査結果（有効回答数１万６２６事業者）によると、消費税の転嫁状況について、事業者間取引では８３．４％、消費者向け取引では７０．０％と７～８割の事業者が「全て転嫁できている」と回答し、前月比でそれぞれ▲１．４ポイント、▲１．０ポイントだった。「全く転嫁できていない」と答えた事業者は、事業者間取引では３．８％、消費者向け取引では５．８％で、前月比でそれぞれ＋０．３ポイント、▲０．３ポイントだった。

　事業者間取引において転嫁できた理由としては、６５．３％の事業者が「以前より消費税の転嫁への理解が定着しているため」と回答。次いで、「本体価格と消費税額を分けることにより交渉しやすくなったため」が２６．０％、「消費税転嫁対策特措法等により消費税転嫁拒否規制が強化されたため」が９．８％、「自社商品のブランド・競争力が強く、価格決定権が自社にあるため」が７．１％などとなっている。

　取引先から受けた転嫁拒否行為については、実際に転嫁拒否行為を受けたと回答した８５社の事業者のうち、「減額」と回答した事業者が最も多く４４．７％、次いで「本体価格での交渉拒否」が３４．１％だった。また、「全て転嫁できている」と回答した事業者を業種別にみると、「卸売業」が９１．７％と最も高く、次いで「運輸業、郵便業」が９０．８％、「製造業」が８９．８％と続き、最も低い「サービス業」では７６．２％だった。

　一方、消費者向け取引において転嫁できた理由としては、６５．０％の事業者が「消費者において消費税率引上げの意義等に対する理解が浸透したため」、次いで、「本体価格と消費税額を分けて記載することにより値上げへの反発が和らいだため」が２７．２％。「全て転嫁できている」事業者を業種別にみると、「運輸業、郵便業」が８４．５％、「建設業」が８４．４％、「卸売業」が８４．０％の順。最も低い「サービス業」は６０．２％だった。

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