経産省、賃金引上げに係る厚労省の支援策を周知
   
カテゴリ:労務
作成日:08/17/2016
提供元:21C・TFフォーラム
  


 経済産業省は、厚生労働省と連携し、最低賃金引上げに係る支援策について検討してきたが、このたび、第一弾として、厚労省において助成措置が行われるので、周知を行った。7月28日に厚労省中央最低賃金審議会において、平成28年度の地域別最低賃金額の引上げの目安が答申され、全国加重平均で昨年を6円上回る24円、引上げ率換算で3%の引上げとなり、平成14年の時給換算で決定する現行方式導入後、最大の引上げとなった。

 現在、同審議会の答申を受け、都道府県毎に設置されている地方最低賃金審議会で、地域別最低賃金の引上げに関する審議が行われているが、当該最低賃金の引上げの環境整備の一環として、厚労省から助成措置が講じられているので、周知したわけだ。なお、改定前の地域別最低賃金を基に賃上げを行った上で助成措置を利用する場合は、最低賃金の発行日の前日までに所要の賃上げ及び助成措置の申請を行う必要があるので、要注意だ。

 厚労省の賃金引上げに係る支援策は、1)「キャリアアップ助成金」の手続簡素化等、2)「業務改善助成金」の支給などがある。キャリアアップ助成金は、有期契約労働者等の正社員化、人材育成、処遇改善を行った事業主に対する助成制度。キャリアアップ助成金の「賃金規定等改定(処遇改善コース)」においては、全て又は一部の有期契約労働者等の基本給の賃金規定等を2%以上増額改定し、昇給した場合、助成措置が受けられる。

 例えば、全ての賃金規定等を増額改定した場合、対象労働者の数が、「1人~3人」は10万円(中小企業以外は7.5万円)、「4人~6人」は20万円(同15万円)、「7人~10人」は30万円(同20万円)、「11人~100人」は1人当たり3万円(同2万円)が事業主に対して助成される。また、キャリアアップ助成金では、キャリアアップ計画書の提出期限の緩和など、手続きの大幅な簡素化が実施される。

 2)の「業務改善助成金」は、生産性向上のための設備投資等を行い、事業場内で最も低い時間給の労働者の賃金を引き上げた事業主に対する助成制度。一定の支給要件を満たした事業主に対し、常時使用する労働者の数が31人以上の企業は業務改善に要した経費の2分の1、30人以下の企業は同4分の3を支給する(上限額は100万円)。平成27年度以前に業務改善助成金の交付を受けている場合は、交付対象外となる。

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