向上する中小企業退職金共済制度の利便性
   
カテゴリ:労務
作成日:03/17/2016
提供元:21C・TFフォーラム
  


 厚生労働大臣は14日、労働政策審議会に対し、「中小企業退職金共済法施行令の一部改正」や「平成28年度の付加退職金支給率」などについて諮問を行い、同審議会から、いずれも妥当との答申があった。 厚労省は、この答申を踏まえて、政省令・告示の改正について、平成28年4月1日の施行に向け、速やかに改正作業を進めるとともに、28年度の付加退職金支給率は、本年度の運用収入の見込み等を勘案し、「0%」とするとした。

 政省令・告示案のポイントは、1)特定退職金共済制度から、中小企業退職金共済制度への資産移換が認められることに伴い、資産移換を希望する事業主が行う必要のある手続きなどを定めること、2)共済契約者が中小企業者でなくなった場合に確定拠出年金(企業型)への資産移換が認められることに伴い、移換対象となる確定拠出年金(企業型)の要件などを定めること。

 3)建設業退職金共済制度については、退職金が支給されない掛金納付月数の期間が現行の24ヵ月から12ヵ月へ短縮されるとともに、退職金の予定運用利回りが現行の2.7%から3.0%に引き上げられること、4)退職した被共済者へ確実に退職金を支給することができるように、(独法)勤労者退職金共済機構が、住民基本台帳ネットワークやマイナンバーを活用し、退職した被共済者に対して退職金の請求勧奨を行うこと。

 1)の特定退職金共済事業からの資産移換は、特定退職金共済事業を廃止する団体から中退共制度へ資産移換した場合における掛金納付月数への通算は、中退共制度において財政負担が生じないように行う。この場合、制度の移動時から通算した月数分遡った月に退職金共済契約の効力が生じたものとみなして退職金額の計算を行う。掛金納付月数に通算できない残余額は、中退共制度の予定運用利回りに相当する利率である年1%で運用する。

 2)の共済契約者が非中小企業者となった場合の資産移換は、共済契約者が中小企業者でない事業主となった場合に中退共制度から資産移換を行うことができる制度として、新たに確定拠出年金(DC)(企業型)を追加する。資産移換先となることができるDCの要件を規定する。要件(1)は、被共済者の全てがDC加入者となること、要件(2)は、各被共済者の個人別管理資産に全額一括で払い込まれることなど。

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