平成27年度の精神障害の労災申請は1515人で過去最多
   
カテゴリ:労務
作成日:06/29/2016
提供元:21C・TFフォーラム
  


 厚生労働省が発表した平成27年度における脳・心臓疾患及び精神障害等に係る労災補償状況によると、仕事上のストレスが原因でうつ病などの精神障害等を発症し、同年度に労災申請した人は前年度に比べ59人多い1515人となり、過去最多を更新した。業務上の労災として認定された人は、過去最多だった前年度を25人下回る472人だったが、依然として高水準。うち未遂を含む自殺者は93人(前年度99人)にのぼった。

 労災申請者を業種別にみると、「製造業」が262人「医療・福祉」が254人、「卸売業、小売業」が223人の順に多い。職種別にみると、「事務従事者」が362人で最も多く、次いで、プログラマーなどの「専門的・技術的職業従事者」が325人、「サービス職業従事者」が183人など。年代別では、「40~49歳」が459人、「30~39歳」が419人と働き盛り世代が目立ち、以下、「50~59歳」が287人などだった。

 認定を受けた472人の発症の原因をみると、心理的負担が極度のものなど「特別な出来事」が87人(うち自殺17人)で最多、次いで「仕事内容・仕事量の変化を生じさせる出来事があった」75人(同26人)、「嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」60人(同8人)、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」が45人(同0人)と続いたほか、「セクハラを受けた」(24人)や「上司とのトラブルがあった」(21人)も目立った。

 一方、過労による脳・心臓疾患で労災を請求した人は、前年度に比べ32人多い795人で、4年ぶりに増加。労災の認定を受けた人は同26人少ない251人で、3年連続減少し、うち過労死は同25人少ない96人だった。労災認定者を業種別にみると、「運輸業、郵便業」が96人、「卸売業、小売業」35人、「製造業」34人、「建設業」28人、「宿泊業、飲食サービス業」22人の順に多く、この順位は前年度と変わらない。

 また、労災認定者を職種別にみると、「輸送・機械運転従事者」が88人、「販売従事者」が34人、「専門的・技術的職業従事者」が33人など。年齢別では、「50~59歳」が91人(うち死亡32人)、「40~49歳」が80人(同39人)、「60歳以上」が38人(同7人)など。1ヵ月平均の残業時間は、「80時間以上100時間未満」が105人(同49人)、「100時間以上120時間未満」が66人(同24人)などだった。

 同労災補償状況についてはこちら