労働保険の年度更新は原則6月1日から7月10日
   
カテゴリ:労務
作成日:05/13/2016
提供元:21C・TFフォーラム
  


 労働保険の保険料は、年度当初に概算で申告・納付し翌年度の当初に確定申告の上精算することになっており、事業主は、前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を併せて申告・納付することになっている。これを、「年度更新」といい、原則として例年6月1日から7月10日までの間(7月10日が土曜日に当たるときは7月12日、日曜日に当たるときは7月11日まで)にこの手続きを行うことになっている。

 労働保険料の延納(分割納付)については、概算保険料額が40万円(労災保険か雇用保険のどちらか一方の保険関係のみ成立している場合は20万円)以上の場合又は労働保険事務組合に労働保険事務を委託している場合は、原則として、労働保険料の納付を3回に分割することができる。ただし、10月1日以降に成立した事業については、延納が認められないので、成立した日から3月31日までの期間の保険料を一括納付する必要がある。

 分割納付の納期限は、例えば、前年度以前に成立した事業場は、第1期(4.1~7.31)が7月10日、第2期(8.1~11.30)が10月31日、第3期(12.1~3.31)が1月31日となる。労働保険事務組合に労働保険事務を委託している場合には、納期限が10月31日のものについては原則として11月14日、納期限が1月31日のものについては原則として2月14日となる。

 また、増加概算保険料の申告・納付については、現行、年度の中途において、事業規模の拡大等により賃金総額の見込額が当初の申告より100分の200(2倍)を超えて増加し、かつ、その賃金総額によった場合の概算保険料の額が申告済の概算保険料よりも13万円以上増加する場合は、増加額を増加概算保険料として申告・納付することとなっている。

 なお、労働保険料は、労働者に支払う賃金総額に保険料率(労災保険率+雇用保険率)を乗じて得た額だが、そのうち、労災保険分は、全額事業主負担、雇用保険分は、事業主と労働者双方で負担することになっている。例えば、1年間に労働者に支払う賃金が310万円(従業員1名、毎月20万円×12ヵ月+賞与70万円)の小売業を営んでいる事業場の場合の保険料の計算例は次のようになる。

 労災保険率3.5/1000(小売業)、雇用保険率11/1000(うち被保険者負担分は4/1000)だから、労働保険料は、「3100千円(賃金総額)×(3.5+11)/1000(労災保険率+雇用保険率)=4万4950円」となる。この場合の事業主負担分は、雇用保険の被保険者負担分(1万2400円)を除いた額となるから、事業主負担分の労働保険料は、4万4950円-1万2400円=3万2550円となる。

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