全商連、「消費税転嫁対策攻略本」を発行
   
カテゴリ:税務
作成日:08/18/2014
提供元:21C・TFフォーラム
  


 全国商工会連合会では、消費税率引上げに対応するための経営手法等をシンプルに解説した小冊子「経営環境の変化に負けないためのHow To消費税転嫁対策攻略本」を発行した。消費税の価格転嫁に役立つ情報を多数掲載している。同小冊子は、全国の都道府県商工会連合会、商工会を通じて、全国の中小企業・小規模事業者に無料で配布しており、全商連では、同小冊子の利用を広く呼びかけている。

 小冊子の内容は、第1章「消費税増税の影響」、第2章「事業収益の確保」、第3章「事業資金の管理」、第4章「健全経営に向けた経営管理」の4章からなる。第1章では、消費税の概要を示し、価格転嫁ができないと利益が減少することから、こうした事態を避けるため、商品力や経営体質の強化など、円滑に価格転嫁できるようにするための対応策などを検討しなければならないと指摘している。

 さらに、価格転嫁した場合には顧客離れのリスクがあることから、価格表示の工夫などによって、値上げイメージを持たれないようにする必要がある。価格表示は総額表示が原則だが、今回は、「消費税転嫁対策特別措置法」の特例により、平成29年3月31日までは、消費者に税込価格であると誤認されない表示であれば、税抜の価格表示や、税抜価格と税込価格の併記も可能となったので、検討することを提案している。

 また、平成26年度は旧税率と新税率が混在することになるので、経理処理が複雑になる。会計ソフトの設定の変更や端数処理のルール決め、従業員の教育など、経理処理が確実に行えるよう、取り組んでおく必要がある。契約や予約の時点が消費税率引上げ前だった場合、旧税率で契約や見積もりしている可能性がある。特に総額表示の場合、トラブルの原因になるので、取引先や顧客と認識の相違がないよう、十分に確認しておくことを勧めている。

 もし、消費税率が来年10月に10%に引き上げられると、3つの税率が混在することになり、さらに複雑になるので、今から経理処理のルールや伝票・書類の様式の整備、受注管理台帳等の整備などをきちんと行っておくことが大切。会計ソフトを使用していない場合は、これを機に導入を検討するのも一考に値する。すでに会計ソフトを使用している場合も、税率変更や経過措置に対応しているかどうか確認しておくことが重要としている。

 同小冊子はこちら